テレビ放送リーチ90%、それでも浸食は止まらない——Arcom最新調査が映すフランス映像市場の現在地

フランスの放送・通信規制当局Arcomは2026年3月、年次調査レポート『Tendances Audio-Vidéo 2026』の概要版を公表した。無料テレビ放送が依然として最大級のリーチを保ちながらも、SVOD・YouTubeがスマートTVを通じて着実に浸透している。

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出典:Arcom
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フランスの放送・通信規制当局Arcomは2026年3月、年次調査レポート『Tendances Audio-Vidéo 2026』の概要版を公表した。調査は映像・音声サービスの機器普及、接続形態、利用実態を包括的に把握するもので、機器調査では1万世帯、利用実態調査では15歳以上の4,308人を対象としている。加えて、スマートTV利用者の追加サンプルや、15~34歳のYouTubeスマートTV利用者への質的調査も実施された。

レポートが示すのは、無料テレビ放送が依然として最大級のリーチを保ちながらも、SVOD・YouTubeがスマートTVを通じて着実に浸透している現実だ。競争は「放送対配信」という二項対立を超え、放送、SVOD、動画共有プラットフォーム、SNS動画が同じ画面上で競合する段階に入っている。


テレビは依然「最大の映像端末」しかし接続環境は激変

フランスでは、テレビ受像機がなお強い存在感を保っている。2025年下期時点で全世帯の89%が少なくとも1台のテレビを保有しており、スマートフォンを含む携帯電話の94%に次ぐ水準だ。


《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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