経済産業省 中国経済産業局は4月13日、アニメ・マンガ等のコンテンツIPを活用してものづくり企業の技術力を海外に発信する実証事業「日本のコンテンツを活用したものづくり企業の新たな魅力発信実証事業」の成果報告書を公表した。
2026年1月にパリで開かれた展示会には4日間で634人が来場。来場者アンケートでは99%が「製造技術への関心が深まった」と回答した。コンテンツを事前に知らなかった来場者も約31%おり、展示品をきっかけに興味を持つなど、ものづくり企業とコンテンツの双方向で認知が高まる効果が確認された格好だ。
ただし、中小企業がIPを活用する際のライセンス交渉の複雑さや権利処理の壁も浮き彫りになり、IPホルダーとの協業を後押しする環境整備が求められている。
なぜ「コンテンツ×ものづくり」なのか。事業の背景
口減少と少子高齢化が進む日本で、地域の中小ものづくり企業が持続的に成長するには、海外販路の開拓と認知度向上を通じた高付加価値経営への転換が欠かせない。経産省が2024年6月にまとめた「経済産業政策新機軸部会第3次中間整理」は、日本を「世界の創造拠点」と位置づけ、高い付加価値を追求しつつ事業転換や大規模投資を迅速に繰り返す経営の重要性を説いた。2025年3月の「素形材産業ビジョン」でも、SNS等を通じた素形材産業の社会的認知度の向上、海外販路開拓、BtoCでの市場ニーズ獲得が重要課題に挙がっている。
ところが、中国地域のものづくり企業へのヒアリングでは、自社単独での取り組みには限界があるという声が多く聞かれたという。業界内にとどまらず、より広い接点をどう生み出すか。その答えとして浮上したのが、アニメやマンガといった日本のコンテンツIPを入口にし、ものづくり企業の技術力を「コンテンツの世界観を現実化する力」として打ち出すアプローチだった。

