キアヌ・リーブス、ストップモーション時代劇『HIDARI』主演声優に決定。カンヌ「Annecy Animation Showcase」で発表

キアヌ・リーブスが、日本発のストップモーション時代劇『HIDARI』の主演声優に決定。伝説的彫刻職人・左甚五郎を描き、陰謀で師匠と愛する女性、右腕を失った甚五郎の復讐と再生の物語。カンヌ国際映画祭で発表され、国際展開を加速させる。

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キアヌ・リーブス、ストップモーション時代劇『HIDARI』主演声優に決定。カンヌ「Annecy Animation Showcase」で発表
キアヌ・リーブス、ストップモーション時代劇『HIDARI』主演声優に決定。カンヌ「Annecy Animation Showcase」で発表
  • キアヌ・リーブス、ストップモーション時代劇『HIDARI』主演声優に決定。カンヌ「Annecy Animation Showcase」で発表
  • キアヌ・リーブス、ストップモーション時代劇『HIDARI』主演声優に決定。カンヌ「Annecy Animation Showcase」で発表
  • カンヌ国際映画祭「Annecy Animation Showcase」でプレゼン中の川村真司監督
  • 左:プロデューサーの松本紀子氏、右:川村真司監督

dwarf studiosが、Whatever、TECARATと共同で制作を進めるストップモーション時代劇『HIDARI』で、キアヌ・リーブスが主演声優を務めることが決まった。発表は2026年5月17日、第79回カンヌ国際映画祭のマルシェ・ドゥ・フィルム内で開かれた「Annecy Animation Showcase」で行われた。

『HIDARI』は、伝説的な彫刻職人・左甚五郎を主人公に、木彫人形を用いたストップモーションで描くオリジナル長編アニメーション企画。原案・脚本・監督は川村真司氏、プロデューサーは松本紀子氏が務める。日本発のストップモーション作品として、国際市場での展開を視野に入れたプロジェクトだ。


キアヌ・リーブスが左甚五郎役。日本発オリジナル作品に初参加

キアヌ・リーブスが演じるのは、主人公の左甚五郎。リーブスは『スピード』『マトリックス』シリーズ、『ジョン・ウィック』シリーズなどで知られ、『トイ・ストーリー4』や『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』など、アニメーション作品で声優も務めてきた。

本作で描かれる甚五郎は、陰謀によって師匠、愛する女性、右腕を奪われ、復讐の旅へ向かう人物だ。リーブスは、その執念や葛藤、悲哀を声で表現する。『HIDARI』は、リーブスにとって日本発のオリジナル作品への初参加となる。

リーブスは、パイロットフィルムを初めて観たときに強い衝撃を受け、映像と脚本から「唯一無二の映画になる」と確信したという。観客としても観たい作品であり、自分もその一部になりたいと感じた、とコメントしている。

川村真司監督は、パイロットフィルムや脚本を制作する際に参考にした作品の一つが『ジョン・ウィック』だったと明かしている。映画化にあたって起用したい人物のリストを作った際、最初に書いた名前がキアヌ・リーブスだったそうで相思相愛のキャスティングとなった。

カンヌ国際映画祭「Annecy Animation Showcase」でプレゼン中の川村真司監督

『HIDARI』は木彫人形で描く復讐と再生のストップモーション時代劇

『HIDARI』は、実在不明ながら数多くの逸話が残る伝説的彫刻職人「左甚五郎」を題材にしたストップモーション時代劇である。江戸時代の日本を舞台に、実在した歴史上の事件や人物、オリジナルキャラクターを織り交ぜながら、一人の男の復讐譚を描いていく。

物語は、名工・甚五郎が江戸城改築工事の現場で陰謀に巻き込まれるところから動き出す。師匠と愛する女性、そして右腕を失った甚五郎は、からくも生き延びる。やがて失った腕の代わりに武器となる義手を造り上げ、かつて木を彫るために握っていた道具を、敵を倒すための武器へと変えていく。

相棒の「眠り猫」とともに復讐の旅に出た甚五郎は、幕府内の権力争い、迫り来るカラクリ兵、変形する江戸城といった、より大きな陰謀に巻き込まれていく。作品は、創ることを生業としてきた男が破壊に手を染め、その先で自分自身や生きる意味を見つめ直す「復讐と再生」の物語である。ジャンルはアクション/ドラマ、尺は90分を予定している。

カンヌ選出で国際展開を加速

今回の発表の場となった「Annecy Animation Showcase」は、カンヌ国際映画祭マルシェ・ドゥ・フィルム内で開催されるアニメーション専門プログラムだ。世界から選ばれた5作品が、各国の配給会社、投資家、映画祭関係者に向けてプレゼンテーションを行う。

左:プロデューサーの松本紀子氏、右:川村真司監督

『HIDARI』は、dwarf studiosがプロデュースし、クリエイティブスタジオのWhatever、木彫人形造形・美術制作を担うTECARATと共同で開発を進めてきた。dwarf studiosは『リラックマとカオルさん』『ポケモンコンシェルジュ』などを手がける日本のストップモーションスタジオで、TECARATもストップモーション分野で評価を得ている制作チームだ。

YouTubeで公開された『HIDARI』のパイロットフィルムは490万回再生を超え、公式チャンネル登録者数は12万人を突破した。世界20以上の映画祭で受賞しており、パイロット段階から海外でも注目を集めてきた。

プロデューサーの松本紀子氏は、リーブスの参加によって甚五郎が「声」を得たとし、日本だけにとどまらない広い可能性の中で制作を進めていく考えを示した。

日本発のストップモーション長編が、世界各国の配給会社や投資家、映画祭関係者に向けた紹介を経て、今後どのような展開を見せるのか。『HIDARI』は、クリエイティブ、制作技術、キャスティング、ファイナンスの各面から、映像産業における注目プロジェクトとなりそうだ。

《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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