2026年3月11日、フランスのエンターテインメント企業のCANAL+ SAは、2025年12月期通期の暫定決算および戦略アップデートを発表した。2025年は同社にとって、独立した上場企業として迎えた最初の年であり、フランス国内での大規模な税務問題を解決し、有利な条件での債務借り換えを成功させるなど、「変革の年」となった。
グループ全体の収益は、オーガニックベースで前年比0.9%増を記録し、堅調な推移を見せている。しかし、本決算における最大の注目点は、単なる数字の伸びではなく、大規模なM&Aとシビアなコスト管理、そして世界的IPの創出に向けたアグレッシブな事業構造の転換にある。
アフリカ市場を取り込む巨大買収戦略
CANAL+の2025年のハイライトは、南アフリカに拠点を置く英語・ポルトガル語圏アフリカ最大の有料放送事業者、MultiChoice Group(MCG)の買収だ。同社はアフリカを、業界内で最も高い成長が期待できる市場として位置づけている。同社はこの買収により、世界70カ国以上で事業を展開し、合計4,230万人の加入者を抱え、86億6,500万ユーロの収益を上げる巨大プラットフォームへと変貌を遂げた。
一方で、MCG単体の直近の業績を見ると、マクロ経済の悪化やOTTへの移行における苦戦により、加入者数が1,490万人から1,440万人へ減少し、収益も6%減の24億ユーロに落ち込むなど、収益性の課題に直面している。これに対しCANAL+は、今年度1億ユーロを投じる「ブーストプラン」を立ち上げ、加入者増に向けて事業基盤の強化を図る。



