2026年5月13日、カンヌ国際映画祭のマーケット部門「マルシェ・ドゥ・フィルム」内のビジネスカンファレンス「Cannes Next」にて、International Screen Institute(国際スクリーン研究所、以下ISI)主催のセッション「AI Meets IP: Voice, Rights and Creative Control」が開催された。ウィーンを拠点とする教育機関ISI、エミー賞受賞のAI音声技術企業Respeecher、デンマークを拠点に欧州の映像産業へ法的助言を行う弁護士など、教育・産業・法務の三者が登壇。
本記事では、「透明性(transparency)」「同意(consent)」「クリーン・チェーン・オブ・タイトル(clean chain of title)」という三つのキーワードを軸に、AIを創作の道具として使いこなすために制作者が何を知るべきかが議論された。

「テクノロジーに振り回されない」プロデューサー像
冒頭、モデレーターを務めたミラノの非営利財団CinemaOの共同創設者Carlo Rizzo氏に促され、ISIのChairwomanであるAndrea Elisa Pisu氏が同研究所の活動を紹介した。ISIは2020年設立、Creative Europe MediaおよびAustrian Film Instituteの助成を受ける非営利の教育機関で、ウィーンを拠点にメディア・プロフェッショナル向けの集中プログラムを提供している。

ISIのプログラムは一貫してビジネス志向であるという。「クリエイティブな業界では、ビジネス・スキルとリテラシーがしばしば軽視されている」と指摘し、すでに業界で活動するプロフェッショナル向けの補完的教育として、Business and Legal Affairs、Audience Design Lab、Sustainability Management、Market Ready、そして新設のFuture Readyといったプログラムを展開していることを紹介した。
特にFuture Readyは、本セッションの主題と直結する新プログラムだ。Pisu氏は、AIを「次なる技術的進化」として中立的に捉え、倫理的・法的フレームワークを学んだうえで主体的に選択する姿勢の重要性を強調した。








