ScreenSkillsとChannel 4の人材育成部門4Skillsが、Ampere Analysisと組んで、英国の映画・テレビ制作人材に関する最新レポート「Sizing Up the Future: Forecasting the Screen Workforce」を発表した。
このレポートが扱うのは、英国のオフスクリーン人材、つまり俳優などの出演者を除く制作スタッフだ。その規模や稼働状況を推計したうえで、2028年までの制作需要を予測している。対象は映画、テレビ、アニメーション、VFX、ポストプロダクション、制作管理、技術職、美術・クラフト職など幅広い。
英国の映像制作人材は、2025年時点で約24万4,500人~25万2,000人と見積もられている。ただ、制作活動そのものは2022年のピークから落ち込んでおり、2024年から2025年の稼働率は推定キャパシティの50~55%にとどまる。
ここでは、レポートの内容をもとに、英国映像制作産業の現状、稼働率が下がった背景、2028年までの見通し、そしてAIが制作業務に与える影響を整理していく。
労働力規模は2024年水準を維持も稼働率は半分程度に
2025年の英国のオフスクリーン制作スタッフ数は、24万4,500人~25万2,000人と推定されている。これは映画・テレビ制作にフルタイムまたはパートタイムで関わる人の総数で、フルタイム換算ではなく、実際に業界にいる人数をつかむための数字だ。
今回は前回調査よりも対象範囲が広がった。小規模なテレビ制作やアンスクリプテッド番組(台本なし番組)、さらにVFXやアニメーションの一時的な人材まで、より広くカバーしている。
部門別に見ると、制作管理、技術、クラフト、編集の4つで全体の6割以上を占める。2025年は技術職が前年比7%増、クラフト職が6%増、制作管理が6%増と伸びた。逆に企画開発は7%減っている。
制作カテゴリー別では、雇用への寄与度が高いのはアンスクリプテッドTV、大規模映画、大規模TVだ。とくにアンスクリプテッドTVは、1作品あたりの制作チームこそ小さめだが、本数が多いぶん全体としては大きな雇用を支えている。
人材の規模は保たれている一方で、稼働率のほうは低い。
2024年から2025年にかけての英国制作人材の稼働率は、推定キャパシティの50~55%。今の人材数がこなせるはずの制作量に対して、実際の制作活動はその半分ほどにとどまっている。前回のパイロット調査では2022年の稼働率が80~90%と推定されていたので、そこからの落ち込みは大きい。
部門別では、VFXとポストプロダクションの低下がとくに目立つ。編集、企画開発、ライティングも2023年から2025年にかけて下がっている。

