韓国コンテンツが非アメリカ作品でNetflix視聴最多 グローバル市場で圧倒的存在感

韓国コンテンツがNetflixの非米国作品で最も視聴され、全視聴時間の8~9%を占める。2位はイギリス、3位には日本がつけている

グローバル アジア
イカゲーム、ギルド・スクリーニング
Photo by Vivien Killilea/Getty Images for Netflix イカゲーム、ギルド・スクリーニング

Netflixにおける非米国コンテンツの中で、韓国作品が最も視聴されていることが、英Ampere Analysisの視聴データ分析により明らかとなった。

2023年以降、韓国コンテンツはNetflix全体の視聴時間で米国作品に次ぐシェアを記録しており、全視聴時間の8~9%を占めている。その後に続くのは、イギリス(7~8%)そして日本(4~5%)となっている。英語圏のイギリス作品をも超える視聴時間を記録しているという驚きの結果となった。


非・アメリカ作品上位500タイトル中、85作品を韓国が占める

韓国は、Netflixの非米国人気作品上位500タイトル中85作品(全体の17%)を占めており、その存在感は群を抜いている。2024年下半期には『イカゲーム』シーズン2が全世界で6億1990万時間以上視聴され、Netflixのグローバルチャートでトップを飾った。その勢いは、『となりのMr.パーフェクト』(恋愛ドラマ)や『白と黒のスプーン ~料理階級戦争~』(料理リアリティ番組)といった他の韓国作品にも波及しており、『イカゲーム』シーズン1、『涙の女王』シーズン1、『愛の不時着』などの過去作も引き続き世界中で視聴され続けている。

このような韓国コンテンツの成功は、Netflixが長年にわたって展開してきた自社製作・ライセンス戦略の成果でだとAmpere Analysisは結論づけている。2024年下半期のデータによると、Netflix上の韓国作品上位100タイトルのうち半数以上がNetflixオリジナルであり、31%が独占配信作品だ。その多くを手がけているのが、韓国の大手エンターテインメント企業CJ ENMである。

Netflixは2024年から2028年にかけて、韓国コンテンツに対して25億ドル(約3700億円)の投資を表明しており、高品質な韓国作品の安定的な供給体制を維持・拡大する方針を打ち出している。これにはオリジナル作品とライセンス作品の両方が含まれ、韓国の放送局やメディアグループとの独占配信契約を通じて実現されている。


積極的な海外展開を見せるCJ ENM

一方、韓国側のコンテンツ企業も世界的な韓流の波に乗り、積極的な展開を進めている。CJ ENMは2025年に8億1800万ドルのコンテンツ予算を計上し、米ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)やFifth Seasonとの戦略的提携を通じてグローバル展開を加速。また、自社のストリーミングサービス「TVING」の国際展開も視野に入れている。


韓国の劇場映画は苦戦している一方、ストリーミング作品に関しては、今や単なる流行を超え、世界の視聴者にとって欠かせないエンターテインメントの柱となっている。Netflixを軸としたこのグローバル展開は、今後さらに加速していけるのか注目だ。

《Branc編集部》

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