日本映画制作適正化機構(映適)が進める制作現場の環境改善に向け、経済産業省の委託事業として、現場スタッフを対象とした意見・感想の募集が開始された。この調査は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施するもので、映適の「作品認定制度」や「取引ガイドライン」の実効性を検証し、今後の業界全体の発展につなげることを目的としている。
映適は、映画制作現場の環境改善を目指すために、映画業界が自主的に設立した第三者機関。1日の撮影時間の上限などの労働環境ガイドラインを示し、遵守されている作品を認定する制度やスタッフセンターの支援業務を通じて、映画スタッフの生活と権利の保護、地位向上を図る目的で設立された。
作品認定制度・取引ガイドラインの実効性検証 働きやすい環境実現目指す
本調査は、経済産業省の「令和6年度補正コンテンツ海外展開促進事業(映画産業における制作現場の適正化に向けた作品認定制度等に関するフォローアップ調査)」の一環として行われるものである。フリーランスを含む映画制作に携わる全てのスタッフを対象に、オンラインのアンケートフォーム形式で意見を募る。
調査の主眼は、映適が導入した「作品認定制度」および「映画制作の持続的な発展に向けた取引ガイドライン」が、実際の撮影現場でどのように受け止められ、機能しているかの実態を把握することにある。労働時間や契約条件の適正化など、スタッフが働きやすい撮影現場の実現に向け、現場からの忌憚のない意見を求めている。
調査結果は報告書として業界に公開 制作現場改善の具体策へ
集められた意見や感想は、個人が特定されない形で集計・再整理された上で、報告書としてとりまとめられる。この報告書は一般公開を想定しており、映画業界各社に広く発信される予定だ。
現場のリアルな声を集約し、データとして可視化することで、映画制作現場の課題に対し、具体的な改善策を講じるための基礎資料とすることが期待される。
意見フォームはこちら。10月24日まで随時受け付けている。