ディズニー&ワーナー&フォックスのスポーツストリーミングサービス「Venu Sports」の立ち上げ計画が一時停止、独禁法の懸念で

米国の裁判所は、NFLシーズンを前にスポーツストリーミングサービス「Venu Sports」の立ち上げを一時的に差し止めた。

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ディズニー&ワーナー&フォックスのスポーツストリーミングサービス「Venu Sports」の立ち上げ計画が一時停止、独禁法の懸念で
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ディズニー/ESPN、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(以下、ワーナー)、FOXによるスポーツ専門ストリーミングサービスVenu Sportsは8月下旬にサービス開始の予定だったが、事業計画の雲行きが怪しくなってきている。

今年2月、スポーツ専門チャンネルを中心とする米有料TV配信プラットフォームFuboが、3社の事業が独占禁止法に違反していると主張し、合併サービス立ち上げの阻止を求めて提訴した。Varietyによると、Fuboが連邦裁判所で起こした訴えが認められ、「Venu Sports」の立ち上げ計画が差し止めになったことが明らかとなった。


8月16日(現地時間)、ニューヨーク州連邦地方裁判のマーガレット・ガーネット判事が、3社のバンドルサービス事業により「業界の競争が大幅に減少して取引が制限される」とし、Venuの立ち上げを阻止した。

FuboはVenu のローンチにより、2024年末までに既存加入者の約30万~40万人を失い、新規加入者数を獲得する能力が大幅に低下して収益が7,500万~9,500万ドル(現為替で約110億~140億円)減少すると指摘。ニューヨーク証券取引所から上場を廃止される可能性があるとも訴えた。

ガーネット判事は、Venuのサービスが開始すれば、Fuboの加入者の多くがVenuへ流れるだろうと判断。その結果、「すぐにFuboの倒産と株式の上場廃止が続く可能性が高く、差し迫った回復不能な損害を被りかねない」と見解を述べている。

Venuの差し止めを受けた3社は声明で異議を唱え、Fuboの訴えが間違っていると主張。「Venu Sports は、既存のサブスクリプション・オプションではサービスを提供していない視聴者層にリーチすることで、消費者の選択肢を増やすことを目的とした競争を促進するオプション」だと訴え、独占禁止法には違反していないとしている。

配信バンドルサービスの未来に危機が迫る


《Hollywood》

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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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