アヌシー国際アニメーション映画祭のマーケット「MIFA」で、UnifranceとAnima Mundiによるカンファレンス「Unifrance x Anima Mundi – Export of European Co-Productions」が開催された。欧州アニメーションの国際流通をめぐる調査報告に続き、国際セールス、北米配給、製作の現場から、共同製作作品を海外市場へ届けるための課題と戦略が議論された。
登壇したのは、Unifranceエグゼクティブ・ディレクターのDaniela Elstner氏をモデレーターに、Unifrance調査部門のAndrea Sponchiado氏、Vrije Universiteit BrusselのHeritiana Ranaivoson氏、米国配給会社NEONで買付を担当するSarah Colvin氏、New Europe Film Salesのセールス責任者Katarzyna Siniarska氏、BobbypillsのCEOであるDavid Alric氏ら。
今回の議論から浮かび上がったのは、欧州アニメーションの強みが「多様性」と「リスクテイク」にある一方で、それを海外の観客に届けるための仕組みは、なお十分に整っていないという現実だ。製作段階では各国の公的支援や共同製作の枠組みが大きな力を発揮する。しかし完成後、作品を認知させ、劇場へ観客を動員する「最後の1マイル」には、さらなる投資と戦略的連携が必要とされている。
欧州アニメーションをどう「見える化」するか
冒頭、Ranaivoson氏は、Anima Mundiの取り組みを紹介した。Anima Mundiは、欧州アニメーションのエコシステムを接続し、促進することを目的としたプロジェクトである。規制や産業慣行のマッピング、AIを含む技術的課題の分析、プロモーションやパートナーシップの研究、さらに子どもたちの視聴嗜好やプラットフォーム上での発見可能性などを調査している。
特徴的なのは、大学や研究機関だけでなく、業界関係者もプロジェクトの中核に参加している点だ。欧州アニメーションが域内外でどのように流通しているのかを把握するため、Unifranceが蓄積してきたフランス作品の国際市場データも活用されている。アニメーションでは共同製作の比重が高く、フランスが欧州共同製作で大きな役割を担っているため、フランス作品の輸出データは欧州全体を見るうえでの重要な指標になるという。

フランス・アニメーションの国際的存在感
続いてSponchiado氏が、Unifranceの調査をもとに、フランス・アニメーションの国際展開を報告した。Unifranceは1995年以降、フランス映画の海外劇場成績を継続的に追跡してきた。近年は劇場映画だけでなく、短編、テレビ番組、映画祭、配信プラットフォーム、テレビ放送まで調査対象を広げている。
過去30年で、海外で劇場公開されたフランス映画のうちアニメーションは200本、累計入場者数は1億4,500万人に達した。海外におけるフランス映画全体の入場者数に占めるアニメーションの割合も、1995年の0.2%から34.4%まで上昇している。

共同製作の役割も大きい。海外展開したフランス製アニメーションのうち、少なくとも1つの欧州パートナー国を含む共同製作は、タイトル数で63.5%を占める。地域別では、ラテンアメリカとアジアで特に存在感が強く、ラテンアメリカではフランス映画の入場者数の3分の2、アジアでも半数以上をアニメーションが占めるという。
Sponchiado氏は、フランス・アニメーションの強みは多様性にあると語る。『ミラキュラス』のような強いIPがある一方、『ベルヴィル・ランデブー』『ペルセポリス』『FLEE フリー』『ロボット・ドリームズ』のように、映画祭で評価される独立系作品もある。アニメーションは、国際市場でフランス作品を若年層へ届ける重要なジャンルとなっている。









