CNC(フランス国立映画映像センター)とUnifranceが、フランス製映像番組の海外輸出をまとめた年次レポート「L’exportation des programmes audiovisuels français en 2025」を公表した。
2025年の数字は厳しい。番組販売と海外からのプリファイナンスを合わせた総輸出フローは2億8,270万ユーロにとどまり、前年比28.1%減。3億ユーロを割り込んだのは2018年以来だ。番組販売額そのものも1億6,430万ユーロと21.6%減少となり、2015年以来の低水準に落ち込んだ。

重要なのは、レポートがこれを一時的な市況の悪化とは見ていないことだ。グローバル配信市場の構造変化、買い手の選別強化、SVODプラットフォームの投資合理化、ローカルコンテンツ重視の流れなど、複合的な要因が同時に重なり、構造的な変化が起きた結果だと位置づけている。
輸出総額2億8,270万ユーロ、前年比28.1%減
2025年のフランス映像輸出は、販売・資金調達の両面で大きく後退した。
販売額1億6,430万ユーロは、2015年の1億6,420万ユーロとほぼ同じ水準だ。海外からのプリファイナンス、つまり海外プリセールと国際共同製作拠出の合計も1億1,840万ユーロで35.4%減となり、過去10年平均の1億3,690万ユーロを下回った。

内訳を見ると落差が大きい。海外プリセールは3,070万ユーロで59.3%減で、2010年以来の低水準を記録。共同製作拠出は8,770万ユーロで18.7%減に留まったが、それでも過去10年平均を14.8%上回っている。
完成番組を売るモデルも、制作前に海外から資金を集めるモデルも苦しい状況が見て取れる。その中で国際共同製作は相対的に底堅く、資金調達手段としての重みを増している。
買い手のリスク回避と「ローカル選好」
レポートが繰り返し指摘するのは、世界の買い手が慎重になったという点だ。
テレビ広告市場の低迷、公共放送局の予算削減、配信サービスの投資見直し。こうした環境で、多くのバイヤーは買い付け本数を絞り、失敗しにくい作品を選ぶようになった。需要が向かうのは、強いIP、説明しやすいジャンル、他市場で実績のある作品である。新規IPやジャンル横断型の企画は、以前より売り込みにくい。
もう一つの変化が「ローカル選好」だ。各国の放送局や配信サービスが、自国の視聴者に近いテーマ、文化、キャストを持つ作品を優先するようになってきているという。グローバルに通用する輸入コンテンツへの需要が消えたわけではないが、幅広い作品をまとめ買いするような状況ではなくなりつつある。









