5月14日、カンヌ国際映画祭のマーケット「マルシェ・ドゥ・フィルム」において、「Japan – Country of Honour | The Future of Japanese IP in Global Adaptations」と題したキーノートスピーチが開催された。登壇したのは、日本IPのハリウッド展開を長年手がけてきたフィロソフィアの藤村哲也氏。日本を「知的財産の大国」と位置づけ、漫画、アニメ、ゲーム、小説などを原作としたグローバル映像化の現在地と今後の可能性について語った。
藤村氏は、ハリウッドのプロデューサーと日本のIPホルダーを結びつけるビジネスを20年にわたり展開してきた人物だ。『ゴースト・イン・ザ・シェル』やNetflixシリーズ『カウボーイビバップ』、実写版『ONE PIECE』など、数多くの日本IPの海外映像化に関わってきた経験から、ハリウッドと日本双方の視点を踏まえた講演となった。

ハリウッドと日本IPをつないできた20年
藤村氏は、かつて映画の買い付けで毎年カンヌを訪れていたという。その後、約20年前に独立し、現在の会社フィロソフィアを創業した。当時はまだ、日本の漫画、アニメ、ゲームといったIPがハリウッド映画の原作として持つ可能性に、現在ほど注目は集まっていなかった。

藤村氏が目指したのは、日本のIPホルダーとハリウッドのプロデューサーを結びつける橋渡し役だった。その過程で出会った重要な人物として、藤村氏は2人のプロデューサーの名前を挙げた。
1人目は、マーベル・スタジオの創設に関わり、『スパイダーマン』や『X-MEN』、『アイアンマン』などのシリーズを手がけたアヴィ・アラッド氏。藤村氏によれば、アラッド氏は若い頃から日本の漫画やアニメ、ゲームに強い関心を持っており、マーベルを離れた後、日本IPのハリウッド映像化に意欲を示していたという。
その最初の大きな取り組みの一つが、士郎正宗原作の『攻殻機動隊』だった。権利取得から約10年を経て、2017年にハリウッド映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』として世界公開された。藤村氏は、アラッド氏との関係は現在も続いており、任天堂の『ゼルダの伝説』の実写映画化などにもつながっていると語った。
もう1人の重要人物として紹介されたのが、『プリズン・ブレイク』などで知られるプロデューサー、マーティ・アデルスタイン氏だ。藤村氏にとってはテレビシリーズのビジネスを教えてくれた存在であり、2人は日本アニメを原作とするNetflixシリーズ『カウボーイビバップ』を手がけた。その後、藤村氏は実写版『ONE PIECE』にも関わり、同作はNetflixで世界配信され大きな成功を収めた。










