映像クリエイターの祭典「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2024」が開催。今年度は「OUT OF FRAME」をテーマに映像制作者を広く捉え、新たなヒントを提供する場として開催され、トークセッションには、新進気鋭のクリエイターが多数登壇した。
その中から、今回はTikTokやYouTubeでショートドラマを制作しているごっこ倶楽部の志村優氏と早坂架威氏が登壇、MCを熊田勇真(マーク)氏が務めた「この社会現象、知ってる?『縦型ショートドラマ』最前線」をレポートする。
稼働3年で240万フォロワー、30億再生を突破したクリエイター集団
志村氏と早坂氏が所属するごっこ倶楽部は、TikTokやYouTubeの縦型動画でショートドラマを配信しているクリエイター集団だ。「ショードラアワード2024」で大賞とバズり賞を受賞するなど、この分野で先頭を走る集団と言っていいだろう。
現在、日本においてもショートドラマの再生数が桁違いの勢いで伸びているそうで、ショートドラマ全体での再生数は727億にも達すると2人は語る。
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ごっこ倶楽部の作るショートドラマは、撮影クルーは7人程度の少人数だそうで、各スタッフが複数のタスクをこなしているという。年間で600本ほど制作しているそうで、今年に限って言えばそれを上回る数のコンテンツを制作しているとのこと。
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すでにZ世代にとってショートドラマは欠かせないコンテンツとして定着していると言い、同世代の43%が商品・サービスの購入のきっかけにしたことがあるという。
ショートドラマにはすでに多くの専用アプリが登場している。中でもトップの利用者を抱えるのがReelShortと呼ばれるアプリで「次のNetflix」とも言われているそうだ。日本で人気なのはTopShortというアプリで、ひと月のダウンロード数でNetflixとU-NEXTを抜いたこともあるという。
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世の中は、徐々に縦型の動画が当たり前になり、エンタメの形を変えてきている、とごっこ倶楽部の2人は語る。2000年代半ばからUGC(ユーザー生成コンテンツ)の時代となり、2010年代にはNetflixの台頭でシリーズを一気見するビンジウオッチングが定着。その頃からアルゴリズムでオススメコンテンツを消費していく時代となり、TikTokの台頭で縦型動画が定着。2029年には縦型ショートドラマの市場は8兆8,000億円にも成長すると見込まれているとのこと。今は従来のメディア企業も続々と参入してきている状況だという。
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伸びやすいショートドラマの演出とは?
続いて、2人はショートドラマの特徴と、見られやすいタイプの演出について語ってくれた。