ソニー・ピクチャーズエンタテインメントと投資会社のアポロ・グローバル・マネジメント(以下、アポロ)が、パラマウント・グローバルの共同買収について話し合いを続けている。
現在パラマウントの大株主であるナショナル・アミューズメンツは、スカイダンス・メディアと30日間にわたる独占的な交渉期間を設けている。スカイダンスによるパラマウント買収は、ピクサーの元幹部ジョン・ラセター氏を含むスカイダンスの経営陣から、技術やアニメーションのノウハウなどの専門知識をパラマウントにもたらすことになると考えられている。
そんな中、匿名の関係者によると、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの最高経営責任者であるアンソニー・ヴィンシクエラ氏はアポロと入札で提携することについて話をしたという。関係者は「パラマウントはまだスカイダンスと独占交渉中であるため、両社は正式な入札を提出していない」と語っている。今回の報道についてニューヨーク・タイムズは、もしソニーが入札に勝った場合「同社はパラマウント・スタジオを自社のメディア帝国内のレーベルとして運営し、同スタジオのマーケティングと配給部門を自社の部門と融合させる可能性が高い」と報じている。
アポロは以前、パラマウントに対し、負債を含め少なくとも260億ドルでの買収を打診していたが、パラマウントの取締役会はアポロの資金調達に疑問を持っていた。ソニーとの共同入札であればこうした懸念は軽減されるため、Bloombergによると「パラマウントの無議決権株主からあまり歓迎されていないスカイダンスの提案に代わるものになり得る」とのことだ。
今回のニュースを受け、パラマウント・グローバルの株価は13%上昇。2月以来の高値に達し「多くの投資家が、主に構造的な理由から、アポロとソニーのシナリオに引き寄せられているようだ」とDeadlineは報じている。