パラマウント・グローバル、スカイダンス・メディアと合併に向けて独占交渉中

さらに、パラマウント・グローバルはチャーター・コミュニケーションズとのケーブル契約更新についても協議を進めているところだ。

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パラマウント・グローバル、スカイダンス・メディアと合併に向けて独占交渉中
Photo Illustration by Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket via Getty Images パラマウント・グローバル、スカイダンス・メディアと合併に向けて独占交渉中

Screen Dailyによると、4月3日(水)、米メディア大手パラマウント・グローバルが、デヴィッド・エリソン氏が率いる映画製作会社スカイダンス・メディアと合併契約締結に向けて大きな一歩を踏み出し、両社は30日間にわたる独占的な交渉期間を設けることで合意したという。現在パラマウントは、米メディア企業チャーター・コミュニケーションズともケーブル契約の更新について協議中で、その過程や結果がスカイダンス合併の行方を握ることになりそうだ。チャーターとのケーブル契約更新期限は、2~3週間後に迫っている。

Varietyによると、MTVやVH1、ニコロデオンなど、パラマウント・グローバルの主要ケーブル局は、業界がテレビ局の放送からストリーミングへ移行するなか、他のケーブル局と同様に苦戦を強いられている。チャーターもケーブル局の契約者数が徐々に減少しつつあり、大きな転換期に直面しているという。

パラマウントの優先事項は、チャンネルへのアクセスを維持するためにハリウッドの大手制作会社に高い料金を支払うよりも、ビジネスおよび消費者向けブロードバンド・サービスを提供し、ストリーミングアプリのメニューの入り口として機能することへ移りつつある。

対するチャーターは、各チャンネルの月々のサブスクリプション料金を引き下げると共に、収益性が低いチャンネルの放送を削減することで、パラマウント・グローバルに支払う月々の加入者料金の引き下げを強く推し進めるのではないかと見られている。また、『スター・トレック』フランチャイズはじめ、パラマウントの人気番組のほとんどを配信しているParamount+との間で、何らかのコンテンツ協定を結ぶ方向で働きかける可能性も高い。

社内で様々な憶測や駆け引きが渦巻く中、パラマウントとチャーターの交渉は大変な時期に行われることになりそうだとVarietyの記事では指摘されている。

パラマウントとスカイダンスは過去10年以上にわたり、『ミッション:インポッシブル』シリーズや『トランスフォーマー』フランチャイズなどでタッグを組み、数多くのヒット作を放ってきた歴史がある。また、スカイダンス・メディアでトップを務めるデヴィッド・エリソン氏の父親で、米オラクルの共同創設者・資産家のラリー・エリソン氏が、140億ドル(約6,000億円)以上の長期負債を抱えるパラマウント・グローバルに、資本やその他のリソースを注入する手助けをするのではないかと見られている。


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ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行と料理、読書とカメラ。

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