業績絶好調、東映が仕掛ける次なる一手とは?【決算から映像業界を読み解く】#20

業績が絶好調の東映。映画事業の売上構成比率は5%から18%に跳ね上がっている。2024年3月期はどのような作品を仕掛けているのだろうか。

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業績絶好調、東映が仕掛ける次なる一手とは?【決算から映像業界を読み解く】#20
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東映の業績が絶好調だ。

2023年3月期の売上高は前期比48.3%増の1,743億円、営業利益は同104.0%増の363億円だった。過去最高益を達成している。

『ONE PIECE FILM RED』が異例とも言えるほどのヒットを飛ばした上、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』『THE FIRST SLAM DUNK』が予想外なほど好調だった。実写では『シン・仮面ライダー』が健闘している。

2024年3月期の売上高は前期比16.7%減の1,452億円、営業利益は同40.0%減の218億円を予想している。減収減益予想だが、コロナ前の2020年3月期と同水準の数字だ。コロナ禍からの完全回復を印象付けた。

映画事業の売上構成比率は5%から18%に

決算短信より

2023年3月期の映画事業の売上高は241億9,300万円となった。前期と比較して5.4倍に跳ね上がっている。ヒット作が豊穣だったため、映画事業の売上高は全体の18%を占めるまでに成長した。2022年3月期はわずか5%だった。

■東映の映画事業の売上高内訳

決算説明資料より

映画事業の伸びが大きく、映像事業全体の売上高は前期の1.5倍となる1,351億7,900万円まで膨らんでいる。東映の最大のライバルである東宝の2023年2月期の映画事業の売上高は、1,580億1,500万円だった。実は東宝の映画事業の売上高には、映画館の興行による収入が含まれている。東映の映像事業に興行関連事業の売上高(184億4,900万円)を加えると1,536億2,800万円となり、宝の数字とほぼ変わらない水準となる。

※東宝は2023年3月期から「収益認識に関する会計基準」を適用しているが、ここで扱っている数字は収益認識適用前のもの

長らく東映は東宝に大きく水をあけられていた。その差が縮まった意味は大きい。しかも、2023年2月期の東宝は稼ぎ頭の一人である新海誠監督の『すずめの戸締まり』を公開し、『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』のヒットにも恵まれている。

東映の作品が東宝を超えるポテンシャルがあることを改めて見せつけた。

人気が長く継続したスラムダンクの底力

■東映作品の興行収入

決算説明資料より

『ONE PIECE FILM RED』の興行収入は197億円、『THE FIRST SLAM DUNK』は126.3億円だった。この2作品は業績に凄まじいインパクトを与えている。


《不破聡》

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