「ONE PIECE」「ドラゴンボール」で業績好調の東映アニメーション。「SLAM DUNK」は第3の成長ドライバーになるか【決算から映像業界を読み解く】#8

東映アニメーションの業績が絶好調だ。

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「ONE PIECE」「ドラゴンボール」で業績好調の東映アニメーション。「SLAM DUNK」は第3の成長ドライバーになるか【決算から映像業界を読み解く】#8
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東映アニメーションの業績が絶好調だ。

2023年3月期上半期の売上高は前年同期間比42.7%増の424億5,000万円、営業利益は同27.4%増の141億9,400万円、純利益は同41.5%増の115億2,100万円だった。

大幅増収に寄与しているのが、2022年8月6日に公開されたアニメ『ONE PIECE FILM RED』の記録的なヒットだ。公式ホームページでは、2022年11月7日に国内動員1,300万人、興行収入180億円を突破したと発表している。

北米では公開からわずか3日で750万ドル(1ドル135円換算でおよそ1億円)を突破した。前作『ONE PIECE STAMPEDE』の同期間と比較すると574%というロケットスタート。海外での人気も高く、東映アニメーションの業績を更に引き上げる可能性もある。

営業利益率は30%で東宝を上回る

東映アニメーションは2022年10月21日に通期業績の上方修正を発表した。売上高を予想比8.6%増の760億円、営業利益を予想比28.4%増の235億円へとそれぞれ引き上げた。予想通りに着地すると、2023年3月期の売上高は前期比33.3%増、営業利益は29.8%増となる見込み。500億円台で停滞していた売上高はいっきに700億円を突き抜けた。

決算短信より

営業利益率は2022年3月期の実績で31.8%。2021年3月期から30%の大台にのせ、手堅く推移している。東映アニメーションの営業利益率は親会社の東映、競合の東宝と比較しても、本業で稼ぐ力を表す営業利益率の高さが突出している。

※各社決算短信より

東映や東宝は不動産や舞台・イベント、映画館の運営も行っているために単純な比較はできないものの、アニメーションという本業に集中して稼ぐことのメリットが際立っているのは確かだ。

東映アニメーションの成長を支えているのは、「ONE PIECE」と「ドラゴンボール」と言っていい。業績を下支えする作品に「プリキュア」や「東映まんがまつり」などの子供向けアニメがある。

東映アニメーションの売上高が300億円台で停滞していた2015年ごろ、400億円台に引き上げたきっかけとなったのが2016年7月に公開した『ONE PIECE FILM GOLD』だった。興行収入は51億8,000万円。脚本は『ONE PIECE FILM RED』と同じく黒岩勉氏が担当している。原作者の尾田栄一郎氏が総合プロデューサーを務めたのも同じだ。

更に2019年3月期の売上高が前年同期比21.1%増の557億100万円となって、大きく押し上げられた。2018年12月に公開したのが『ドラゴンボール超 ブロリー』だ。日本での興行収入は40億円に留まったものの、海外での反響が凄まじく全世界の興行収入が135億円を突破した。改めて「ドラゴンボール」の強さを見せつけた作品だった。

『ONE PIECE FILM RED』を超える作品は2度と作れない?


《不破聡》

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