韓国動画配信大手「TVING」、日本進出の“難航”を認める──それでも彼らが日本市場を狙う必然的理由

アジアTVフォーラム&マーケットのパネルディスカッションで、韓国の大手ストリーミングプラットフォームの国際的な野望がより明確に示された。また、TVINGが昨年発表した“今年中の日本進出”は難航しているとも述べられた。

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先週末、シンガポールで開催されたアジアTVフォーラム&マーケット(ATF)のパネルディスカッションで、韓国大手ストリーミングプラットフォームの国際的な野望がより明確に示された。また、TVINGが発表した今年中の日本進出は難航しているとも述べられた。

今年のATFでは、NetflixやDisney+などのグローバルプレーヤーとの激しい競争に直面する各地域のストリーミングプラットフォームの成長が、最重要課題として取り上げられた。韓国を代表する2つのプラットフォームのCEOであるTVINGのジェイ・ヤン氏とWavveのイ・テヒョン氏は、韓国のストリーミングの現状とプラットフォームの今後の拡張計画について展望を語った。


同誌の報道によると、ATFに登壇したTVINGのジェイ・ヤンCEOは、グローバル展開について「韓国市場の規模を考慮すれば、選択肢ではなく義務である」と強調。しかし一方で、2021年に発表していた「2022年中の日本および台湾への進出計画」については、プロセスが想定以上に時間を要していると明かした。

ヤンCEOは「(海外進出には)巨大なリスクと投資が伴う」とし、「素晴らしいパートナーシップを綿密に計画し実行するには、より多くの時間が必要だ」と、遅れの理由が慎重なパートナー選定と事業計画にあることを示唆した。

また、同じく韓国大手である「Wavve」のイ・テヒョンCEOも同イベントで、海外展開が成功の鍵であるとし、南北アメリカ向けのアプリ「Wavve Americas」とのシナジーを通じてグローバル化を推進する意向を示している。

当初のロードマップ修正を余儀なくされてもなお、韓国プラットフォーム勢が日本市場を最優先ターゲットに据える背景には、明確な経済的理由がある。

一つは、日本市場における「ARPU(ユーザー1人当たりの平均売上高)」の高さだ。 東南アジア市場はユーザー数こそ膨大だが、低価格なプランが主流であり、収益性の確保には時間を要する。対して日本は、有料会員ビジネスが定着しており、世界的に見ても高い客単価が見込める数少ない市場だ。NetflixやDisney+などのグローバル大手にとっても、日本はアジアにおける収益の柱であり、TVINGらがここを「攻略必須の地」と定めるのは自然な流れと言える。

二つ目は、強固な「韓流ファンベース」の存在だ。 『愛の不時着』や『梨泰院クラス』のヒット以降、日本国内では第4次韓流ブームが定着し、生活の一部となっている。すでにNetflixのランキング上位を韓国ドラマが占める現状があり、「独占配信」の強力なコンテンツさえあれば、後発のプラットフォームであっても一定のシェアを奪取できる勝算がある。

The Hollywood Reporterが引用した「Media Partners Asia」のレポートによれば、アジア太平洋地域のオンラインビデオ業界は今後5年間で年平均8%の成長が見込まれている。 しかし、韓国国内に目を向ければ、NetflixやDisney+といった外資系に加え、国内勢同士のシェア争いは「レッドオーシャン」化している。TVINGが競合サービス「Seezn」との合併を完了させたのも、規模の経済で対抗するためだ。


数多くの韓国ドラマを配信・製作してきたTVINGの日本進出は、日本国内の韓国ドラマファンにとっては大きな関心事だ。同プラットフォームが進出すれば、日本のストリーミング市場の勢力図にも大きなインパクトを与えるかもしれない。

Source:The Hollywood Reporter
《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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