カンヌ国際映画祭併設マーケット「マルシェ・デュ・フィルム」と、東京国際映画祭(TIFF)併設コンテンツマーケット「TIFFCOM」は、日本のライツホルダーと海外の映像業界関係者を結ぶ「Japan IP Market」を、2027年5月14日・15日の2日間、カンヌで共同開催する。2026年5月、日本がマルシェ・デュ・フィルムの「カントリー・オブ・オナー(招待国)」を務めた際に始まった取り組みが、2回目の開催が決まったことで、一度きりにとどまらず継続される形となる。TIFFCOMを運営する公益財団法人ユニジャパンが10月29日に発表した。
招待国企画を契機に継続開催へ。世界最大級の映画マーケットに日本IPの接点
今回の発表は、TIFFCOM 2026のカンファレンス「カントリー・オブ・オナーのその先へ―日本と世界が築く新たなパートナーシップ―」の場で行われた。登壇者には、マルシェ・デュ・フィルムでインダストリー・プログラム責任者を務めるアレクサンドラ・ザハルチェンコ氏も名を連ねた。
マルシェ・デュ・フィルムは、カンヌ国際映画祭のビジネス拠点として世界最大規模を誇る映画業界イベントである。セールスエージェント、プロデューサー、配給会社、映画祭プログラマーなど、世界各地から1万6,000人以上が集まる。業界向けスクリーニングは毎年1,500本以上、開発中の企画は4,000件、業界向けイベントは250に及ぶ。こうした国際的な取引の場に、日本IPに特化した商談・発信の場が2026年に続いて設けられることは、日本の映像業界が海外展開を進めるうえで大きな意味を持つ。
マルシェ・デュ・フィルムのエグゼクティブ・ディレクター、ギヨーム・エスミオル氏は、「日本のカントリー・オブ・オナーの成功は、一つの国が集中的に存在感を示すことで、業界に持続的な機会が生まれることを示した。『Japan IP Market』はその成果の一つ」と述べた。そのうえで、一度きりで終わらないコラボレーションとして、ライツホルダーが海外のプロデューサーやパートナーとつながり、新たな映像化を進める機会を「さらに創出していく」との考えを示した。
日本側からは、ユニジャパン特別顧問でTIFFCOM CEOの椎名保氏がコメントを寄せた。椎名氏は「世界最大の映画祭併設マーケットであるカンヌのマルシェ・デュ・フィルムとの連携は、日本の映像業界にとって非常に大きな役割を果たす」と評価した。また、海外のプロフェッショナルと出会い、ともに制作していくことが「日本のIPをグローバルコンテンツへと成長させていく鍵になる」と強調した。
KADOKAWA・松竹・東映が参加した第1回 映像化契約や買付への結びつけを狙う
第1回の「Japan IP Market」では、ピッチセッション、1対1のビジネス・ミーティング、業界向けディスカッションを通じて、日本の有力ライツホルダーと海外の業界関係者の接点がつくられた。参加企業にはKADOKAWA、松竹、東映などが並んだ。ゲストスピーカーとしては、『ONE PIECE』のエグゼクティブ・プロデューサーを務める藤村哲也氏(フィロソフィア株式会社CEO)らが登壇した。
2027年の開催は、第1回の実績をもとに、日本と海外の映画界のクリエイティブな協業とビジネス機会をさらに広げることを目指す。ザハルチェンコ氏は事業の狙いについて、「日本のライツホルダーと海外企業との間にビジネスの機会が生まれる環境を整えること」と説明した。さらに、カンヌで両者を引き合わせることで「高まる日本コンテンツへの関心を、具体的な映像化契約や買付につなげる」と語り、関心を具体的な契約や買付につなげることを目指す考えを示した。
5月のカンヌと10月の東京を連動
TIFFCOMは、映画、テレビ、アニメなど多様なコンテンツホルダーと各国の有力バイヤーやプロデューサーが集まる、アジアを代表するコンテンツマーケットである。毎年10月の東京開催では「Tokyo IP Market」を設けている。5月のカンヌと10月の東京を連携させることで、海外の業界関係者が日本のライツホルダーと直接出会う機会を広げる狙いだ。
TIFFCOM事務局長の池田香織氏は、第1回について「各国のプロデューサーやパートナーの皆さまが日本のIPに寄せる熱意を肌で感じた」と振り返った。今後も5月のカンヌと10月の東京の「Tokyo IP Market」を連携させ、より多くの関係者に日本のライツホルダーと直接出会う場を提供し、日本の多彩なIPを紹介していくとしている。
2027年の参加企業とプログラムの詳細は、今後数カ月のうちに発表される予定。

