映像は「観る」から「包まれる」へ。URALAAが8Kイマーシブライブ技術を発表、2027年秋に東京でフラッグシップ拠点を開設へ

URALAA株式会社が、東京・虎ノ門で「URALAA事業構想 8Kイマーシブライブ技術発表会&ライブビューイング体験会」を開催。8K映像と空間音声を一般の光回線で届ける独自技術を披露し、2035年までに全国51カ所へ拠点を広げる構想を発表した。

テクノロジー XR
映像は「観る」から「包まれる」へ。URALAAが8Kイマーシブライブ技術を発表、2027年秋に東京でフラッグシップ拠点を開設へ
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  • URALAA株式会社CEO・辻木勇二氏
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  • みずほフィナンシャルグループの執行役員・CBDO、中馬和彦氏

URALAA株式会社は、東京・虎ノ門で「URALAA事業構想 8Kイマーシブライブ技術発表会&ライブビューイング体験会」を開いた。同社の代表取締役CEO・辻木勇二氏が事業構想と技術の概要を説明したほか、応援パートナーとして、みずほフィナンシャルグループ、東急不動産ホールディングス、シダックス・コミュニティープラスの代表者が登壇。会場では、兵庫県姫路市で行われたSVリーグのバレーボールの試合を8Kでライブビューイングする体験会も実施された。

「観る」から「包まれる」へ

URALAA株式会社CEO・辻木勇二氏

URALAAは2019年11月18日、前身のフォレストデジタル株式会社として北海道十勝郡浦幌町で設立された。メンバーの中心はヤフーの出身者。浦幌町に地方創生のボランティアで通ううちに、町から「せっかくだったらうちの町で作らないか」と声をかけられ、本社を置くことになったという。会見で辻木氏は、会社設立の相談段階から協力してきた浦幌町の井上亨町長と北村林業の北村社長を会場で紹介し、感謝を述べた。

同社が目指してきたのは、映像を「観る」のではなく、空間に「包まれる」体験だ。最初に手がけたのは浦幌町の廃校になった小学校を改築した施設で、正面、左右、天井にプロジェクターで十勝の森や海岸を映し出した。国立の森林総合研究所と共同で、心拍数が安定するといった心理的・生理的な回復効果を検証し、論文として発表している。開発の初期は「失敗の連続」で、包まれる空間に映像を違和感なく合わせることに苦労したと振り返る。

辻木氏は今後の方向性として、こうした「癒しの空間」から「感動する空間」へ進むと語った。応援するスポーツチームの試合を最前列で観ている感覚や、推しの俳優やアニメーションの世界の中に自分がいるような感覚を届ける「包まれるエンターテインメント」がそれにあたる。

背景にあるのは、日本のコンテンツを取り巻く状況への問題意識だ。辻木氏は「日本の素晴らしいコンテンツは今、YouTubeやNetflix、TikTokといった海外のサービスで見られているのが現実」としたうえで、「これからは『観る』から『包まれる』時代に確実に変わる。日本のコンテンツ、IPを包まれる体験として届けていくのがURALAAの役割」と強調した。

世界では、ラスベガスの「Sphere」や、ロサンゼルス、ダラスなどで展開する「Cosm」が話題を集めている。こうしたロケーションベースドエンターテインメント(LBE)の市場規模は2025年に86億ドルに達し、今後3年間で2.8倍に拡大する見通しだという。

同社はこれまでに、十勝の花火大会を東京でイマーシブ中継したほか、2025年の大阪・関西万博ではJリーグの協力を得てサッカーを中継した。2026年8月には、一般の回線を使った8Kイマーシブライブ中継に成功している。

今後の構想として、2027年秋に東京でドーム型のフラッグシップ拠点を開設し、その後は大阪、福岡、名古屋、札幌へと広げる。2035年には全国51カ所への展開を目指す。コンテンツ面でも、漫画、アニメ、演劇、音楽、旅といった分野で、包まれる体験向けのコンテンツを100本つくる計画だ。

《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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