東京国際映画祭併設のコンテンツマーケット「TIFFCOM 2026」が、今年も東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される。今年5月には、カンヌ国際映画祭のマーケット「マルシェ・デュ・フィルム」で日本がカントリー・オブ・オナーに選ばれ、「Japan IP Market」の開催なども話題になった。その流れを受けた今年のTIFFCOMは、「日本IPの海外展開」「国際共同製作」に加え、新たに「AI」を軸に据える。
カンヌでの成果をどうつなげていくのか。TIFFCOM事務局長の池田香織氏に今年の傾向を聞いた。
IP Marketをカンヌのフィーチャーイベントに
――今年のTIFFCOMは、カンヌでのカントリー・オブ・オナーを受けての開催になります。今年はどのような方針で臨んでいますか。
池田:好調なコンテンツ産業の国際的な取引のプラットフォームとしての役割を果たすため、今年も引き続き「日本IPの海外展開」と「国際共同製作」を軸にしています。そこに加えたのがAIです。これまで日本では、特にアニメで、AIは著作権が関連するセンシティブな話題として扱われてきました。いったん整理しなければならないというコンセンサスはある一方で、実際の現場ではもう使われています。そこで、ストーリーテリングや作品づくりにAIがどう使われているのかという、ポジティブな観点から取り上げることにしました。
AIについてはあちこちでカンファレンスが開かれていますが、私たちが紹介したかったのはハリウッドの最前線です。AGBOは『アベンジャーズ』シリーズのような大作を手がけるスタジオで、グローバルなストーリーテリングにいち早くAIを取り入れ、成果も出しています。今回はビジネス面を担う共同経営者のクリス・ブレアトンさんと、CSO(チーフ・サイエンティフィック・オフィサー)のドミニク・ヒューズさんのお二人に来ていただきます。CSOという新しいポジションをつくって、クリエイティブにテクノロジーをどう生かすかに取り組んでいる企業で、そこをポジティブな観点から語っていただけると期待しています。

――日本ではAIへの警戒感も強いテーマです。扱うことにハードルはありませんでしたか。
池田:今のところ反発はありません。法整備が必要なことや、何が問題なのかについては、業界で共通認識ができつつあると思っています。我々は「こうあるべきだ」と示すのではなく、カンファレンスという形で議論の場をつくる。それがマーケットとしての役割だと考えています。
――カントリー・オブ・オナーで、日本IPへの欧米からの注目度は上がったと感じますか。
池田:Japan IP Marketをカンヌで開催し、日本のマンガなどのIPを紹介したことは、大きなインパクトがあったと思います。SNSでの反応も非常に大きかったです。

――マルシェ・デュ・フィルム側からはどんな反応がありましたか。
池田:マルシェ・デュ・フィルムとしては、世界中を対象にIPマーケットを拡大したいのだと思います。でも私たちは、まずは日本の作品を紹介したい。東南アジアなどでは今まさにIP産業を育てようとしていますし、参加したい国は多いはずです。しかし、対象を広げず、今は日本IPにこだわっていますと伝えたら、カンヌの方たちも「自分たちもクオリティを大事にしたいから日本だけというのもありだね」と言ってくれました。
――今後もカンヌでの取り組みは続けていくのでしょうか。
池田:私たちはIPマーケットをカンヌのフィーチャーイベントとして続けていきたいと思っており、マルシェ側も前向きです。

TIPMとTGFMではオープンピッチを開催
――Japan IP MarketとつながるTokyo IP Market(TIPM)はリニューアルして2年目です。これまでの成果をどう評価していますか。








