2026年5月13日、カンヌ国際映画祭のマーケット部門「マルシェ・ドゥ・フィルム」にて、Cinema do Brasil主催のパネル「São Paulo: Latin America’s Leading Audiovisual Hub」が開催された。
登壇者は、サンパウロ州文化・創造経済・産業庁長官のMarilia Marton氏、サンパウロ市の映像振興機関Spcine社長のAnna Paula Montini氏、サンパウロ州視聴覚産業組合(SIAESP)会長でState Film Commission代表も務めるAndré Sturm氏の三名。モデレーターはCinema do Brasilのエグゼクティブ・マネージャーMorris Kachani氏。本記事では、長編製作、ロケーション誘致、コプロダクション支援、キャッシュリベートまで多層的に展開されるサンパウロの視聴覚エコシステムをレポートする。
サンパウロ州の文化投資の規模
口火を切ったMarton長官は、2023年カンヌで「Paulo Gustavoプログラム」(パンデミック後の文化産業再興のため全土に約30億レアルを投じた施策)関連の発表に関わって以来、二度目の登壇だそうだ。

長官がまず提示したのは、サンパウロ州のスケール感だった。人口はスペインや英国に匹敵し、独立した国であればラテンアメリカ第三の経済規模を持つ。航空機メーカーEmbraerの本拠地であり、ラテンアメリカ最大の国際空港二つを擁し、貨物積み替え港としても南米屈指。インフラと経済基盤があってこそ映画産業も持続的に成長できると長官は示唆する。
そのうえで長官は、同州の累計3億8,000万レアル規模(原稿執筆時点で約108億円)の公的支援策を紹介。長編製作だけでなく、脚本開発、配給、ポストパンデミック以降の重要課題である映画館の再開支援にまで資金が及ぶ。「人々が再び映画館で出会うことの価値を、政策として擁護しなければならない」と長官は強調する。
人材育成についても、視聴覚専門部門を備えた職業訓練校を州が運営し、製作現場のニーズに応じたカスタマイズ研修を提供しているという。






