【カンヌ現地レポート】Film Frontierがピッチセッション開催。文化庁支援の人材育成、6組の若手作家・プロデューサーが世界へアピール

カンヌ国際映画祭のマーケットで開催された「Film Frontier」ピッチセッション。文化庁のクリエイター支援基金の下、日本の次世代を担う監督・プロデューサーたちが世界の映画関係者を前にプロジェクトを披露した。

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【カンヌ現地レポート】Film Frontierがピッチセッション開催。文化庁支援の人材育成、6組の若手作家・プロデューサーが世界へアピール
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2026年のカンヌ国際映画祭マーケットのジャパンパビリオンにおいて「Film Frontier」のピッチセッションが開催された。会場には、今年のカンヌ国際映画祭監督週間に短編アニメーション『Eri』がノミネートされた矢野ほなみ氏が手掛けた絵画も飾られていた。

「Film Frontier」は、文化庁の補助金により設置された「文化芸術活動基盤強化基金」のクリエイター等育成プログラムの映画分野として、ユニジャパンとVIPOが連携して展開する人材育成プログラム。今回はカンヌにて若手作家とプロデューサーの企画を披露とネットワーキングの機会を提供した。

開会の挨拶に立ったのは文化庁長官・伊藤学司氏。「世界最高の舞台で、日本の次世代を担うクリエイターの皆様とご一緒できることを大変光栄に存じる」と切り出し、本イベントが文化庁のクリエイター支援基金の下、人材育成を主軸として推進されていることを紹介。ユニジャパン、日本芸術文化振興会と連携し、創造的な才能の発掘・育成・発展を図るこの事業は、「継続的な支援が新たな表現を生み、世界へと広がる力を持つことを象徴している」と強調した。

映画は人々の心を結び、相互理解を育む力を持つ文化芸術であり、その担い手を持続的に育てる環境整備こそが文化政策の中核であるという視座を具現化したプログラムであり、今回のFilm Frontierのイベントも単発ではなく、長期的視野に立った育成プログラムの一環として位置づけられていることが、冒頭から明確に示された。


五つのプロジェクトが描く支援の地平

セッション本編に先立ち、まず紹介されたのが、クリエイター支援基金の下で動いている五つのプロジェクトだ。

ATMOVIE GLOBAL TRACKを率いる森谷雄氏は、二年前に初めてカンヌを訪れた際に感じた「切迫感」を語った。日本市場だけに留めるべきではない企画は数多くあるが、「発見されるのを待つだけでは駄目だ。日本のクリエイター自身がここに来て、直接プロジェクトを提示する必要がある」。同プロジェクトも今年のカンヌでピッチのセッションを開催している。


VIPOの槙田寿文氏が紹介したFilm Nexus Seedは、映画を学ぶ学生たちが国際舞台で活躍するためのトレーニングプログラム。今年はカンヌ国際映画祭のCinéma de Demainの一部であるShort Film Corner / Rendez-vous Industryにおいて公式に研修を実施している。


J-Docs Hubの藤岡朝子氏は、日本のドキュメンタリーが今こそ世界に発見されるべき独自のタイミングにあると力を込めた。山形国際ドキュメンタリー映画祭での長年の経験を背景に、「日本のドキュメンタリーは活気がありながらも、まるで鎖国のように世界から孤立してきた」と現状を分析。三年から五年のマンデートでこの状況を変えていく構想を示した。


日本映画撮影監督協会(JSC)の岩倉具輝氏が紹介したCinematic Quantumは、京都・東京・タイで開催したマスタークラスを通じ、現役の若手撮影監督たちにグローバルな制作現場のワークフローを学ばせる試みだ。「グローバルな視点を持つ日本人撮影監督は、文化や働き方の違いという壁を架橋する存在になり得る」と岩倉氏は語る。


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《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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