アニメーション制作の現場は、依然として膨大な手作業によって支えられている。特に「音」と「絵」を同期させる工程は、デジタル化が進む現代においてもアナログ的な手法が色濃く残る領域だ。
アニメ制作会社が集まる高円寺で、20年にわたりポストプロダクションとしてアニメ制作に携わってきたソニーPCLは、このボトルネックに対し、AI技術を用いた自動スポッティングサービス「オトリプ(OtoLip)」を開発した。
同社の高円寺スタジオ開設20周年を記念したイベント「Beyond 20 Years」において、開発チームによるトークセッションが行われ、同サービスについて解説された。そのトーク内容と実機デモから、本サービスの特徴をレポートする。

アニメ1話で膨大な時間がかかるスポッティング作業
アニメ制作において、収録されたセリフのタイミングをコマ単位で特定し、タイムシートに記述する「スポッティング」は、演出意図を作品に反映させる上で不可欠な工程だ。しかし、その実態は極めて労働集約的だ。
通常この作業はオフライン編集者が映像と音声を繰り返し再生し確認・記入を行うため、物理的な工数が非常に多いという。それゆえに、演出家やアニメーターが作画などの参考にしたい場合でも、制作進行上の「待ち時間」が発生していた。「オトリプ」開発の背景には、単なる省力化だけでなく、こうした待ち時間を解消したいという現場からの切実なニーズがあった。






