第38回東京国際映画祭のウィメンズ・エンパワーメント部門において、ラウンドテーブル「女性映画祭の力」が開催された。本企画は、1985年から2012年まで続いた「東京国際女性映画祭」のレガシーを継承しつつ、アジアで現在も続く女性映画祭の現在地と未来図を描き出した。
登壇したのは、台湾国際女性映画祭、ソウル国際女性映画祭、そして日本のあいち国際女性映画祭の代表者らで、女性映画祭の役割やこれからの発展について活発な議論が交わされた。
冒頭、同映画祭のシニア・プログラマーのアンドリヤナ・ツヴェトコビッチ氏が開会の挨拶を行った。彼女は、1970年代の女性映画祭が「抵抗の必要」に迫られて生まれた背景に触れつつ、日本では1985年に高野悦子氏によって「カネボウ国際女性映画週間」が開始された歴史を紹介。女性の地位向上が叫ばれ、映画業界への女性参入に特別な勢いがあった時代だったと振り返る。

現在の女性監督比率はいまだ10~30%に留まっているが、2021年にTIFFがアジアの映画祭として初めて「コレクティブ50/50」に署名したことに触れ、女性作家の今後の増加に期待を寄せた。









