特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)は、京都府と共同で第17回「京都映画企画市 -Kyoto Film Pitching-」を開催することを決定した。本事業は、時代劇の拠点である京都の優位性を活かし、京都から若手クリエイターを世に送り出すことを目的とした、時代劇・歴史劇ジャンルの映画企画コンテストだ。
本事業は、京都府とVIPOが主催し、KYOTO Cross Media Experience 実行委員会が共催、東映(株)京都撮影所、(株)松竹撮影所、(株)東映京都スタジオ、京都文化博物館、(一社)日本映画製作者連盟、(一社)日本映画テレビプロデューサー協会、全国映画教育協議会が協力している。
応募対象となるのは、映画・映像制作者(監督およびプロデューサー)による、劇場公開を目的とする時代劇・歴史劇ジャンルの映画企画。企画内容は、太秦のメジャースタジオや京都府内での撮影を想定している必要がある。また、権利処理がなされている非公開の映画企画であること、長編で想定する制作予算や公開イメージ等を提示できることが要件に含まれる。さらに、2025年10月上旬に京都市内にて開催予定の本コンテストに来場して参加できること、日本語での応募書類作成およびプレゼンテーションが可能であることも必須条件となっている。
応募は、公式サイトより受け付けており、締切は2025年7月15日(火)必着となる。応募企画の中から、第一線で活躍する映像業界人を審査員に迎えた書類審査を経て数作品が選定され、映画企画コンテストでのプレゼンテーションにより優秀映画企画が決定される。
優秀映画企画には、長編劇場公開につなげることを目指し、350万円相当のパイロット版(短編)映像制作の権利が付与される。パイロット版制作にあたっては、京都での撮影が前提となり、東映株式会社京都撮影所または株式会社松竹撮影所の協力とアドバイスのもとで行われる。コンテストは2025年10月上旬に京都市内会場にて開催が予定されている。
また、応募者の中から数名を選出し、現役のプロデューサー等へ映画企画の相談ができる企画相談会も実施される予定だ。
これまでの「京都映画企画市」から、若手クリエイターが活躍の場を広げている。蔦哲一朗監督の『黒の牛』は、本作の受賞から初めて長編化を実現した事例だ。日本、アメリカ、台湾の国際共同製作として、台湾の名優リー・カンションや田中泯が出演、音楽を故・坂本龍一が務めるなど国際色豊かなキャスト・スタッフが集結し、2024年の第37回東京国際映画祭「アジアの未来部門」に選出、2026年1月公開予定となっている。
また、2020年度優秀映画企画の金子雅和監督『水虎』は、富川国際ファンタスティック映画祭2021の企画マーケット「NAFF It Project」に選出され、「Mocha Chai Award」を受賞した。2022年度優秀映画企画である鹿野洋平監督『うつつの光、うつる夜』も、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2024のNEO JAPANプラグラムに選出され上映された実績を持つ。
応募の詳細・申し込みは公式サイトにて。