株式会社松竹マルチプレックスシアターズは2025年9月30日、運営する映画館の鑑賞料金を同年10月31日より改定すると発表した。これにより、一般料金は現行の2,000円から2,100円へと100円引き上げられる。
対象となるのは、MOVIX20劇場、ピカデリー3劇場、東劇を含むSMT直営の24劇場と、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマの主幹事JV劇場。大手シネマコンプレックス(シネコン)ではティ・ジョイも9月1日から料金を改定しており、映画鑑賞料金の値上げの動きが業界全体に広がっている。
各券種で100円から200円の値上げ。障がい者割引は据え置き
新料金では、一般が2,100円、大学生が1,600円、高校生以下は1,100円、シニア(60歳以上)は1,400円となる。また、水曜サービスデイやファーストデイといった割引料金も、現行の1,300円から1,400円に改定される。夫婦50割引は2名で3,000円から3,200円となる。一方で、障がい者手帳を提示した場合の割引料金と、12月1日の「映画の日」の料金については、現行のまま据え置かれる。なお、ドルビーシネマの追加料金などに変更はない。
エネルギー価格や人件費高騰が背景
今回の料金改定の背景には、昨今のエネルギー価格の高騰や円安による各種仕入れコストの上昇、そして人件費を中心とした運営コストの継続的な増加がある。同社はこれまで、経営の合理化や省力化、コスト抑制に努めてきたとしているが、各種設備投資への負担増も重なり、企業努力のみで現行の価格体系を維持するのは困難であると判断したとのこと。
これは、ティ・ジョイが値上げの理由として挙げた「人件費やエネルギーコストの上昇」と共通しており、興行界が直面する厳しい経営環境を浮き彫りにしている。松竹マルチプレックスシアターズは、「今後も更なる企業努力により、お客様にご満足いただける劇場を目指してサービス品質の維持・向上に努めて参ります」とコメントしている。