株式会社U-NEXTホールディングス(東証上場:9418)は、2025年8月期第2四半期(2024年9月1日~2025年2月28日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比22.7%増の1,867億8,200万円、営業利益は5.0%増の166億800万円、親会社株主に帰属する中間純利益は8.1%増の94億3,600万円となり、引き続き堅調な業績を維持している。
セグメント別の業績:全分野で売上増
同社は2024年9月より事業区分を再編し、「コンテンツ配信事業」「店舗・施設ソリューション事業」「通信・エネルギー事業」「金融・不動産・グローバル事業」の4つの報告セグメント体制となった。その全分野で売り上げ増を達成している。
コンテンツ配信事業:U-NEXT事業が好調
主力サービス『U-NEXT』では、映画やドラマ、漫画、書籍などを網羅した「観る×読む」の総合エンタメ体験を提供。2025年2月時点で動画36万本、電子書籍114万冊以上を揃えるなどコンテンツの充実を図っており、有料会員数は2024年12月には450万人を突破。三井住友銀行とのコラボキャンペーンも展開した。近年は、欧州サッカー、国内外の格闘技、ゴルフツアーなどのスポーツや、音楽、ライブ配信といったコンテンツも充実させている。
売上高は17.7%増の624億5,500万円、営業利益は31.5%増の58億1,500万円と大幅な増収増益を達成した。
店舗・施設ソリューション事業:店舗DXに注力
業務店向け音楽配信やホテル向け自動精算機などを展開。配膳・運搬ロボット「KettyBot Pro」と呼び出しサービス「USEN BELL」の連携サービスなど、先進的な店舗DXにも注力している。また今期から、グループ各社が行ってきたカメラ事業を集約し、カメラソリューションに特化した会社として、㈱USEN Camera Solutionsの事業もスタート。
売上高は8.8%増の491億9,100万円、営業利益は16.5%増の91億9,900万円となった。
通信・エネルギー事業ともに事業拡大
USEN NETWORKSによる法人向け光回線「USEN光plus」や、U-POWERによるグリーンエネルギーの提供など、通信と電力分野での事業が拡大した。
売上高は40.0%増の737億8,400万円と大幅増。営業利益は15.8%減の54億4,500万円となり、利益面では減少したものの、顧客基盤の拡大が進んでいる。
金融・不動産・グローバル事業:テナントマッチングの新サービス開始
保証・保険・不動産・決済を手がける同セグメントは、マンション向けWi-Fi一括導入や非公開物件を扱うテナントマッチングサービス「テナリード」など新サービスを展開。神奈川県藤沢市で商業ビルの取得を進めるなど、資産運用にも力を入れている。
売上高は15.9%増の49億3,600万円、営業利益は8.4%増の7億9,500万円であった。
財務状況とキャッシュ・フロー
総資産は2,419億3,400万円(前期末比129億7,100万円増)、純資産は1,006億8,500万円(同86億5,100万円増)となり、財務体質の改善が見られた。
営業キャッシュ・フローは前年同期比40%減の44億8,100万円。前払費用の増加や法人税等の支払いが響いた。投資活動では、子会社株式の取得などにより138億4,500万円を支出。財務活動では、長期借入れの増加を背景に64億4,800万円の資金流入があった。
通期業績予想に変更なし
通期業績見通しは、売上高3,600億円(前期比10.2%増)、営業利益310億円(同6.5%増)、純利益167億円(同8.7%増)とし、変更は行っていない。
U-NEXTホールディングスは、エンタメ×テクノロジーの融合を強みとし、BtoC・BtoB両面での顧客体験の向上に努める。今後も映像配信、通信、エネルギー、金融といった多角的な事業展開により、持続的な成長を目指していく構えだ。