韓国Billions Plus、新海誠作品や「セカコイ」を大ヒットさせたMedia Castleと日本映画配給で独占提携へ

韓国のBillions Plusは、Media Castleと独占契約を結び、2025年までに日本映画・アニメ10作以上を韓国で公開予定。日本コンテンツの人気が高まる中、プレミアムコンテンツ戦略を強化する。

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韓国Billions Plus、新海誠作品や「セカコイ」を大ヒットさせたMedia Castleと日本映画配給で独占提携へ
韓国Billions Plus、新海誠作品や「セカコイ」を大ヒットさせたMedia Castleと日本映画配給で独占提携へ

韓国における日本コンテンツの人気が高まる中、韓国のコンテンツ投資・配給会社であるBILLIONSの子会社Billions Plusは、日本映画の輸入配給を手がけるMedia Castleと独占配給契約を締結したとCHOSUNBIZが報じた。​この提携により、2025年を通じて日本映画およびアニメ作品10本以上の韓国国内公開が予定されており、日本のプレミアムコンテンツの本格展開が始動する。​


『すずめの戸締まり』『今夜、世界からこの恋が消えても』を大ヒットさせたMedia Castle

Media Castleは、これまでに『君の名は。』『すずめの戸締まり』『今夜、世界からこの恋が消えても』などの日本のヒット作を韓国市場に紹介してきた実績を持つ。​特に『すずめの戸締まり』は、韓国での観客動員数が約434万人に達し、『君の名は。』の約381万人を超えて、日本映画として歴代2位の成績を記録した。​また、『今夜、世界からこの恋が消えても』は、韓国で日本の実写映画としては異例の100万人を突破し、同国での日本実写映画歴代3位の大ヒットとなった。​今年も『ファーストキス 1ST KISS』など、日本国内のヒット作品を韓国で配給している

プレミアムなコンテンツ流通戦略の重要な一歩

Billions Plusは、Media Castleが保有する日本のプレミアムコンテンツを安定的に供給できる体制を整え、韓国国内で根強い人気を誇る日本映画・アニメの存在感をさらに強化する方針だ。​同社の関係者は、「『孤独のグルメ THE MOVIE』を皮切りに、多彩な日本コンテンツを国内に安定して紹介できるようになった」と述べ、「Media Castleとの今回の契約は、プレミアムコンテンツ流通戦略の重要な第一歩となる」とコメントしている。​

Billions Plusは配給だけでなく、ドラマ制作分野にも積極的に進出している。​制作に参加したCoupang Playで配信された『ニュートピア(Newtopia)』は、配信開始からわずか10日でCoupang Play史上最多の累計視聴数を記録し、世界54カ国でトップ10入りを果たすなど、国内外で大きな注目を集めた。​同作はBLACKPINKのジスと俳優パク・ジョンミンの共演でも話題となった。​

韓国の若者の間でじわじわ高まる日本コンテンツの人気

近年、韓国の若者の間で日本コンテンツの人気がじわじわと高まっていると指摘される。アニメや映画のみならず、Jポップアーティストが相次いで韓国公演を実施するなど、様々な領域で両国の文化交流の熱が高くなっている。今回の提携もそんな韓国内の需要変化に対応する狙いがありそうだ。

《杉本穂高》

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杉本穂高

映画ライター 杉本穂高

映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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