イマジカがTVポストプロダクション事業からの撤退を決定、150名規模の希望退職者を募集【決算から映像業界を読み解く】#84

イマジカが、2025年6月末をもってTVポストプロダクション事業から撤退することを決定した。

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イマジカがTVポストプロダクション事業からの撤退を決定、150名規模の希望退職者を募集【決算から映像業界を読み解く】#84
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IMAGICA GROUPが、2025年6月末をもってTVポストプロダクション事業から撤退することを決定した。

TVポストプロダクションはテレビ番組などの撮影を終えた後、映像の編集作業や音楽、効果音、CGなどの追加を行うもの。市場の縮小やフリーランス化の進行による参入障壁の低下で事業環境が変化、2024年3月期は9,300万円の営業損失を計上していた。

事業撤退に伴い、TVポストプロダクション事業に携わる社員100~150名程度の希望退職者の募集を実施。大規模なリストラ策が実施されることになる。

アニメとゲーム事業への集中を進める

リストラの対象となる会社はIMAGICA Lab.(以下イマジカラボ)。東宝の東京現像所、東映ラボ・テックと並び、3大現像所と呼ばれていた。映像編集や合成、テロップの作成などを行い、長きにわたってテレビ番組などの映像制作を陰で支えてきた。

イマジカラボのTVポストプロダクション事業は、品川プロダクションセンター、赤坂ビデオセンター、渋谷スタジオ、渋谷公園通りスタジオNEXTを事業拠点として展開していた。近年は市場環境の変化に加え、エディターやミキサーの離職、顧客離れも進んでいる。

イマジカは、2024年2月にイマジカデジタルスケープと、その子会社2社(IDSグループ)の全株式をボーンデジタルに譲渡するなど、高収益体質に向けたグループの大再編を実行中。イマジカデジタルスケープは、Web映像関連、人材マネジメント事業などを展開していた。イマジカは、ゲーム関連やアニメーション制作など、中長期的な収益拡大が見込める事業への選択と集中を進めているのだ。

ついにテレビ周辺の事業にもリストラの手が及んだことになる。

希望退職者は150名程度を見込んでいる。希望退職者の応募者に対しては、特別加算金と再就職支援に関わる費用を拠出する見込みだ。仮にその金額が1人当たり1,000万円だったとすると、単純計算で15億円は発生することになる。応募者がどの程度出るかわからないために公表は控えているが、イマジカは拠点撤退関連費用なども合わせて数十億円規模の事業撤退損が発生する可能性が高い。

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足元の業績も苦戦が際立つ。


《不破聡》

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