WOWOW第3四半期決算、大幅な増益を達成も会員数は純減、ドコモとの提携や多角化経営で攻勢なるか

会員減に苦しみつつも、番組費抑制と事業多層化で営業利益2.6倍の大幅増益を達成したWOWOW。しかし加入者数は純減が続く。有料放送の転換期、NTTドコモとの提携や大型IP『水滸伝』の投入で描く、次なる成長シナリオを読み解く。

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WOWOW第3四半期決算、大幅な増益を達成も会員数は純減、ドコモとの提携や多角化経営で攻勢なるか
WOWOW第3四半期決算、大幅な増益を達成も会員数は純減、ドコモとの提携や多角化経営で攻勢なるか

株式会社WOWOWは2026年1月30日、2026年3月期第3四半期(2025年4月1日~12月31日)の連結決算を発表した 。

会員収入の減少という構造的な課題に直面しつつも、イベント事業やグループ会社の好調、さらに番組制作費の効率化や前年度発生した4K放送終了に伴う一時費用の剥落などが寄与し、利益面では前年同期比で大幅な増益を達成した。一方で、加入件数は大型コンテンツの端境期などの影響を受け純減。

有料衛星放送という事業モデル自体が転換期に差し掛かる中、コンテンツ事業へ軸足を移すことで活路を見出そうとする同社。その移行期の苦しみも見え隠れする決算内容となった。


番組費抑制とコスト構造改革により、営業利益は前年同期比2.6倍へ

2026年3月期第3四半期の連結業績は、売上高571億2,600万円(前年同期比1.2%増)、営業利益39億7,200万円(同165.3%増)、経常利益46億6,600万円(同111.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益32億500万円(同365.1%増)となり、増収増益で着地した。

売上高の微増と利益構造の好転

売上高に関しては、主力の会員収入が減少したものの、イベント等の「その他収入」や、テレマーケティング等の外部顧客向け売上が伸長したことで、全体として6億8,100万円の増収を確保した。

利益面で大幅な改善が見られたのは好材料だ。営業利益は前年同期の約2.6倍、経常利益も約2.1倍と急拡大している。この要因について、同社は主に以下の2点を挙げている。

  1. 番組費等の費用減少: 前年同期に放送・配信された『TOKYO VICE Season2』や『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』といった制作費のかかる大型コンテンツが、今期第3四半期時点では比較的少なかったこと、また調達コストのコントロールが進んだことにより、番組費が大幅に抑制された 。

  2. 一時的費用の剥落: 前連結会計年度において実施した4K放送の終了に伴う技術費や減価償却費の減少、および前年同期に計上された減損損失等がなくなったことが、利益を押し上げる要因となった。


《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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