東宝、「セヴェランス」や「TOKYO VICE」のスタジオFIFTH SEASONへの戦略的投資を発表

東宝の子会社であるToho Internationalが、FIFTH SEASONへの戦略的投資を行うことを発表した。東宝の持つ企画・IP を含む日本コンテンツを世界に展開することを目指す。

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東宝、「セヴェランス」や「TOKYO VICE」のスタジオFIFTH SEASONへの戦略的投資を発表
東宝ニュースリリースより 東宝、「セヴェランス」や「TOKYO VICE」のスタジオFIFTH SEASONへの戦略的投資を発表

東宝は、子会社(孫会社)であるToho Internationalが、韓国を代表する大手エンタテインメント企業CJ ENMグループと世界的なスポーツ・エンタテインメント企業Endeavorグループがそれぞれ出資する、米国における映画・テレビスタジオCJ ENM FIFTH SEASON LLC(以下、FIFTH SEASON)への戦略的投資を行うことを発表した。

これによりToho InternationalはFIFTH SEASONに対して2億2,500万ドル(約330億円)を出資し、FIFTH SEASONの全権益の25%を保有することとなり、FIFTH SEASONは同社の持分法適用関連会社となる。

FIFTH SEASONは、長編映画と多くのスターが出演するテレビ・配信シリーズ、ハイクオリティのドキュメンタリーの開発・製作・配給における世界のトップランナー。『ロスト・ドーター』(Netflix映画)、「セヴェランス」(AppleTV+ドラマ)、「TOKYO VICE Season2」などをを手がけてきた。

東宝は「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」において、成長戦略のキーワードとして「企画&IP」「海外」を掲げ、魅力あるコンテンツの企画開発、IP創出の強化とともに、市場開拓の余地が大きい海外でのビジネス拡大を目指している。そのため本投資は、同グループが世界規模で展開しているアニメーションコンテンツビジネスに続いて、実写コンテンツビジネスについても日本国内市場にとどまらず、グローバル市場へと進出していくための重要な一歩になるものと考えているとのこと。

また、この投資によって、同グループとFIFTH SEASONとの間において、実写コンテンツを共同で開発・製作する体制が確立される。これにより、同グループはFIFTH SEASONが有している制作スタジオや動画配信プラットフォーム等とのネットワークを介し、これまで単独では成し得なかったグローバル市場に向けた大型作品の製作や、同社保有の企画・IPを含む日本コンテンツを世界展開する機会が得られることになる。

さらに、同グループとCJ ENMとの間において、本投資を契機にコンテンツの共同開発・共同製作、双方が保有するIPの相互利用やリメイク版製作を含む協業の可能性について検討も開始されているという。

東宝株式会社代表取締役社長 松岡宏泰氏 コメント
今回の提携は、当社グループがアニメーションに続いて、実写コンテンツの領域でもグローバル市場に向かって挑戦していく、その大きな一歩になると考えています。このチャレンジを、アジアから世界のエンタメ市場にいち早く進出している CJ ENM、世界的なスポーツ・エンタテイメント企業であるEndeavorと手を携えながら踏み出せることにとても感謝し、また胸が高鳴っています。この取り組みで築こうとしている日本と世界の「架け橋」を渡って、日本の企画・IP やコンテンツがグローバル市場へとますます広がっていくことを期待しています。

FIFTH SEASON Co-CEO Chris Rice氏、Graham Taylor氏 コメント
今回の投資は、FIFTH SEASON の成長をさらに加速させ、世界の映像業界のトップランナーとしての地位を確固たるものとする、またとない絶好の機会です。戦略的パートナーシップは私たちの DNAの中核をなすものです。それゆえ、東宝のような、成功し、歴史があり、私たちの目指すところや価値観を共にする会社とともに歩んでいくことは FIFTH SEASON にとって望むところです。CJ ENM とEndeavor との強力なパートナーシップに加えて、東宝の協力が得られたことにより、FIFTH SEASON は最高のコンテンツを幅広く提供して世界中の視聴者を楽しませることができるより良いポジションを得ることができると考えています。

CJ ENM CEO Koo Chang-gun氏 コメント
FIFTH SEASONが世界の大手スタジオとして大きく前進している今、日本最大のエンタテインメント企業である東宝をパートナーに迎えることができて大変嬉しく思います。CJ ENMはコンテンツのプロデュースにおける競争力向上に注力し、グローバル IP企業としての地盤をより一層強化していきます。

《Branc編集部》

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