【年頭所感】映画・アニメ業界人に訊く、2022年の振り返りと2023年のこれから

新年明けましておめでとうございます。ウォルト・ディズニー・ジャパン、ガイエ、ツイン、東映、フラッグ、Crunchyroll、U-NEXT、WOWOW(敬称略、五十音順)の8社様に年頭所感のコメントをいただきました。

ビジネス 企業動向
【年頭所感】映画・アニメ業界人に訊く、2022年の振り返りと2023年のこれから
  • 【年頭所感】映画・アニメ業界人に訊く、2022年の振り返りと2023年のこれから
  • ウォルト・ディズニー・ジャパン/成田 岳氏
  • ガイエ/枝澤秀雄氏
  • ツイン/ロゴ
  • 『RRR』
  • 『RRR』
  • 『RRR』
  • 『What Do We See When We Look at the Sky?(英題)』

新年、明けましておめでとうございます。

2022年9月の開設から、約4ヵ月を迎えたBranc(ブラン)。まだまだ駆け出しのメディアではありますが、昨年は約220本の記事を掲載いたしました。

未熟なメディアながらも、Brancを訪れてくださる読者の皆様、取材や情報提供のご協力をいただいた皆様、コンテンツを共に制作してくださる皆様のおかげで新年を迎えることができました。誠にお世話になりました。

2023年、映像業界は後を引く新型コロナウイルスの影響、そして近づく世界不況の中で、それぞれが変化を求められる一年になるのではないのでしょうか。

Brancでは「映像業界を“共に”大きくしていく」というコンセプトを、より体現できるよう、2023年はBrancにとっても“変化”の一年にできればと思っております。引き続き、読者の皆様にBrancを訪れていただける機会を多く作れるよう精進いたします!


さて、2023年初掲載となる本記事では、映像業界関連企業8社の代表者様よりいただいた2022年の振り返りと2023年の年頭所感をご紹介。併せて、2022年を象徴する「漢字」「ベストムービー」もお伺いしました。

年末のお忙しいところにご回答いただきました各企業の代表者様、そしてご調整をいただいたご担当者様、誠にありがとうございました!

この場を借りて御礼申し上げます。

今回ご回答いただいた企業様(敬称略、五十音順)

  • ウォルト・ディズニー・ジャパン

  • ガイエ

  • ツイン

  • 東映

  • フラッグ

  • Crunchyroll

  • U-NEXT

  • WOWOW

2022年は「新」の年/ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

日本コンテンツ統括 エグゼクティブ ディレクター 成田岳氏

ウォルト・ディズニー・ジャパン/成田岳氏

◎2022年の漢字に「新」を選んだ理由は?2022年を振り返り、御社にとってどんな一年でしたか。


弊社にとって大きな変化の年でした。ディズニープラスに新たにコンテンツ・ブランド、スターが加わり、従来のディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル ジオグラフィック以外の豊富な大人向きコンテンツ、さらに、各国のローカルコンテンツが一気に加わりました。これによって一気にコンテンツが拡充。韓流からアニメ、日本オリジナル実写ドラマまで、様々な新しい作品が見られるようになっています。この「新」ディズニープラスをサポートするべく、一気に社内の体制も変え、さらに多くの視聴者の皆様に喜んでいただけるよう、大型サスペンス作品である「ガンニバル」などを始めとしたコンテンツをお届けできるように努めてきました。2023年もお楽しみに!


◎2023年は映像業界にとってどんな一年になると思いますか・どんな一年にしたいですか。来年に向けての抱負を教えてください。


ストリーミングが身近になったことにより、様々な新しい視聴習慣が生まれています。それに対応すべく業界全体も今まで以上に変革を遂げていく一年になるのではないでしょうか。我々は来年も、「ストーリーテリング」を何よりも大事にする100年に及ぶディズニー社の歴史を鑑み、日本発の優れたストーリーを最も多くお届けするプラットフォームになるべく邁進してまいりますので、是非ご期待ください。よろしくお願いします。


◎2022年に、特に心を動かされた映像コンテンツがあれば教えてください。


弊社作品ですが、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の映像美には目を見張りました。まだまだ映像にはいろんな可能性があることに改めて気付かされた作品になります。


2022年は「極」の年/株式会社ガイエ

代表取締役社長 枝澤秀雄氏

ガイエ/枝澤秀雄氏

◎2022年の漢字に「極」を選んだ理由は?2022年を振り返り、御社にとってどんな一年でしたか。


「極」=少数の大ヒット作品とそれ以外の二「極」化。弊社としては『トップガン マーヴェリック』の成功に貢献できた、という意味ではエポックメイキングな1年ではあった。その成果はあったものの、業界全体でも当社担当作品でも頂点の作品に次ぐ準メガヒットやその他の小品佳作といった裾野の広がり感・層の厚さといったところがなかなか感じられなかった1年でした。


◎2023年は映像業界にとってどんな一年になると思いますか・どんな一年にしたいですか。来年に向けての抱負を教えてください。


劇場用映画および配信映画、ドラマともに製作ペースが加速し、鑑賞する側にとってはどの作品を観るべきなのかの取捨選択が今まで以上に難しくなりそう。観る価値のある作品を宣伝・紹介することを生業とする我々の存在意義がより問われることになることを自覚し、業界の発展に寄与したい。


◎2022年に、特に心を動かされた映像コンテンツがあれば教えてください。


若い頃『トップガン』を見たところから36年ぶりの、というドンピシャの世代でもあり『トップガン マーヴェリック』は外せない。もう一つ、NHK武道番組MCでも活躍の岡田准一主演『ヘルドッグス』。ストーリーはクライムアクションの定番系の範疇とはいえ良い意味で各キャストのハマり加減に上方修正的な感覚で裏切られたことと、主演自ら技闘デザイン指導を担ったアクションシーンのクオリティの高さに感動。


2022年は「再(ふたたび)」の年/株式会社ツイン

代表取締役社長 加畑圭造氏

◎2022年の漢字に「」を選んだ理由は?2022年を振り返り、御社にとってどんな一年でしたか。

『RRR』©2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

コロナ禍ではオンライン参加していた海外映画祭・マーケットへも、再び赴けるようになりました。又、劇場マーケットも回復してきたので、再始動の年になったと感じています。


同時に2022年の劇場マーケットは、ヒットする作品とそうでない作品の二極化が進み、我々インディペンデント配給会社にとっては厳しい年でした。
そういった状況の中、10/21に公開しました『RRR』は日本で公開されたインド映画史上No. 1の成績を樹立するなど弊社作品のなかでも随一の大ヒット作になり、再始動にふさわしい作品になったと思います。作品を応援してくださった皆様に、心より感謝申し上げます。


◎2023年は映像業界にとってどんな一年になると思いますか・どんな一年にしたいですか。来年に向けての抱負を教えてください。


先ほど述べたマーケットの二極化の状況はすぐには変わらないと思いますが、”世界の多様な映画をお届けする”という弊社のパーパスをもとに、引き続き世界中から面白い映画を探し出して配給していきたいです。又、グループ会社の映画配信サービスJAIHO(ジャイホー)でも、より幅広く世界の多様な映画を発掘・配信に邁進してまいります。


◎2022年に、特に心を動かされた映像コンテンツがあれば教えてください。

『What Do We See When We Look at the Sky?』(原題)© DFFB, Sakdoc Film, New Matter Films, rbb, Alexandre Koberidze

『What Do We See When We Look at the Sky?』(原題)
2021年東京フィルメックスで最優秀作品賞および学生審査委員賞をW受賞したジョージア映画。
ある日何気なく出会い恋に落ちる男女の話ですが、今まで観たことのないタイプの映画で、そのさわやかで独創的な作風に驚かされました。
舞台になるジョージア第三の都市クタイシの街並み、出てくる大人、子供、犬など全てがチャーミングで、楽園を散策しているような幸せな気分になりました。


2022年は「一」の年/東映株式会社

映画宣伝部 部長 出目宏氏

◎2022年の漢字に「」を選んだ理由は?2022年を振り返り、御社にとってどんな一年でしたか。


『ONE PIECE FILM RED』の記録的な大ヒットもあり、東映の年間興行収入記録を大幅に更新する事が出来ました。各作品、唯「一」無二の戦略をもって、チームが「一」丸となり、歴代「一」位を獲得した、そんな「一」年でした。『ONE PIECE』のONEも「一」ですね。


◎2023年は映像業界にとってどんな一年になると思いますか・どんな一年にしたいですか。来年に向けての抱負を教えてください。

©尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会 ©2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会 ⓒ石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

テクノロジーは進化し続けるでしょうが、今年も、2022年までと同様、革新的で感動的な映像コンテンツが新たな才能によって生み出され、人々の心を豊かにすると思います。


東映は、今年も『レジェンド&バタフライ』『シン・仮面ライダー』ほか、素晴らしい作品を揃える事が出来ました。
弊社社長の手塚が「全世界に最高のエンターテインメントを」をスローガンに掲げております通り、世界中の人々に愛される作品の創造発信をモットーに、一人でも多くの方々に映画をお届けし、楽しんで頂きたいと思っております。


◎2022年に、特に心を動かされた映像コンテンツがあれば教えてください。


弊社の作品以外ですと『トップガン マーヴェリック』ですかね。キャストも含めた制作スタッフの志の高さとチャレンジ精神が「誰も観た事のない映画」へと昇華させたのだと思います。嘗てムーブメントを起こした映画の続編が、36年の時を経て再び世界的なムーブメントを起こすというのも驚きです。


2022年は「改」の年/株式会社フラッグ

代表取締役 久保浩章氏

フラッグ/久保浩章氏

◎2022年の漢字に「改」を選んだ理由は?2022年を振り返り、御社にとってどんな一年でしたか。


会社の今後の成長に向けて組織体制を大きく改めたり、これまで手がけてきた事業やその構造、強みや弱みなどを点検し、改善を図ってきた1年でした。


◎2023年は映像業界にとってどんな一年になると思いますか・どんな一年にしたいですか。来年に向けての抱負を教えてください。


コロナ禍がようやく本格的に落ち着いてきて、その影響を受けてきた部分の変化が避けられない年になると考えています。
映画館に観客がどこまで戻るのか、SVODサービスの加入者はどこまで増えるのか、YouTubeやTikTokなど無料動画の視聴形態はどうなるのかなど、コロナ禍で時計の針が数年早送りになったものが、元に戻ったりより進んだりという変化を見せることは間違いなく、大局を見極めながら自社の舵取りをしていきたいと思います。変化をチャンスと捉えて、新たな挑戦に積極的に取り組んで行くつもりです。


◎2022年に、特に心を動かされた映像コンテンツがあれば教えてください。


『THE FIRST SLAM DUNK』
僕の青春時代のコンテンツがここまで見事にアップデートされたのかと、心底感動しました。バスケがしたくなりました。


2023年はアニメアワードを日本初開催!/Crunchyroll, LLC

年末のご挨拶より抜粋

◎2022年を振り返り、御社にとってどんな一年でしたか。

Crunchyroll Expoの様子

クランチロールは2022年、ファニメーション・グローバル・グループとブランドを統合、劇場版アニメは素晴らしい成功をおさめ、ECサイトのRight Stufを傘下に迎えました。有料会員数はまもなく1,000万人に届こうとしています。クランチロールにとって2022年はとても素晴らしい1年となりました。
弊社の著しい成長は、今やアニメがニッチなものではなく、世界的にもエンゲージメントの高いエンターテイメントとなり、ポップカルチャーをけん引する力を持った証です。引き続き、大切な日本のパートナーの皆さまとともに、弊社の配信サービス、劇場アニメ、ゲーム、EC、イベント等を通して各社のストーリーテリングの力を世界中の情熱的なファンに届けていきます。(CEO ラウール・プリニ氏より)


◎2023年は映像業界にとってどんな一年になると思いますか・どんな一年にしたいですか。来年に向けての抱負を教えてください。


2023年3月にはクランチロール・アニメアワードの授賞式が初めて日本で開催されます。また、4月には『すずめの戸締まり』(英題:Suzume)を世界各地で順次公開していく予定です。引き続き、クランチロールの動向にご注目いただけると幸いです。


2022年は「挑」の年/株式会社U-NEXT

代表取締役社長 堤 天心氏

U-NEXT/堤天心氏

◎2022年の漢字に「」を選んだ理由は?2022年を振り返り、御社にとってどんな一年でしたか。


コロナ禍やインフレなど、社会情勢およびユーザーの消費動向に大きな変化がある中、U-NEXTはこれまで同様、圧倒的な品揃えを目指す「カバレッジ戦略」、ビデオとブックのシームレスなエンタメ体験を提供する「オールインワン・エンターテイメント戦略」、そして、ここでしか観られない作品を強化する「ONLY ON戦略」の3つの戦略を元に展開してきました。2022年はこうした既存の動画配信サービスの成長に加えて、映画館との提携や、音楽・スポーツライブ配信の拡大、IP創出など、未来への成長投資を含めた挑戦の年でした。


◎2023年は映像業界にとってどんな一年になると思いますか・どんな一年にしたいですか。来年に向けての抱負を教えてください。


ポストコロナの新たな時代を迎えて、映像業界全体が成長と大きな変革を迎える1年になると思います。その中でU-NEXTは、ユーザーの皆様に支持されるサービス、ラインナップの拡充を通じて着実な成長を実現するとともに、変革をリードする立ち位置でありたいと思っております。


2022年に、特に心を動かされた映像コンテンツがあれば教えてください。


『トップガン マーヴェリック』
コロナ禍で久しく劇場から遠のいていた中、圧倒的な大画面、大迫力スペクタクルの映像体験、頭の芯に響くエンターテイメントを心から楽しめました。


2022年は調の年/株式会社WOWOW

事業局事業部 チーフプロデューサー 鷲尾賀代氏

WOWOW/鷲尾賀代氏

◎2022年の漢字に「調」を選んだ理由は?2022年を振り返り、御社にとってどんな一年でしたか。


2021年末に10年駐在したLAから日本に戻ってきまして、ビジネスカルチャーのギャップを感じました。『調和』を重んじる日本の文化に戻すのにある程度時間がかかりました(まだ戻ってない気もします)。


また今年は、2018年から手がけていたハリウッドとの初の共同制作オリジナルドラマ「TOKYO VICE」のローンチがあり、日米同時配信な上に、まだ日本が外国人に対して渡航禁止状況の中で、東京にて世界初披露のイベントを行う計画をHBOMaxと共同で立てたので、各方面との『調整・調整・調整』で時差もあり2ケ月ほぼ眠れない状況でした。無事全員入国し、すばらしい完成披露試写会と記者会見はもとより宣伝、放送&配信ができました。

「TOKYO VICE」

◎2023年は映像業界にとってどんな一年になると思いますか・どんな一年にしたいですか。来年に向けての抱負を教えてください。


業界は引き続き変革期だと思います。オリジナル制作へのシフトは益々進むでしょうし、権利意識も高まってくると思います。日本は他の国に比べて世界マーケットへの意識や権利&契約意識が高くない一面がありましたが、「TOKYO VICE」の業界内での認知からか、各方面から海外との協業に関する問い合わせをいただきますのでいい流れだなと思っています。
私としては、LA駐在の10年間で培った人脈を中心に、すでに開発中の案件はもちろんのこと新たな種も蒔いて海外のクリエーターやパートナーとの共同制作をさらに活発化させたいと思っています。また、日本の才能を海外に出したり、海外案件の日本への招致などにも引き続き注力し日米の架け橋の一助となれればと思います。


◎2022年に、特に心を動かされた映像コンテンツがあれば教えてください。


テレビシリーズなら、「ザ・クラウン」。イギリス王室を描いた物語で現在シーズン5までが配信されてますが、実名を使い、実際の事件やエピソードにエンターテインメント性を足してバランスよく制作されている素晴らしい作品です。(特にシーズン1と2)
個人的にも実際の出来事を元にした作品にとても魅力を感じるのですが、日本でこんな作品は制作できないだろうなと考えさせられる作品です。


映画は、大多数の方の答えと同じかもしれませんが、『トップガン マーヴェリック』(WOWOWで3月に放送・配信予定)が一番エキサイトした作品です。旧作ファンも、今作で初めてトップガンを見る観客の両方が楽しめる作品内容ももちろんですが、私はオープニングから鳥肌がたち、トニー・スコット監督へのリスペクトを感じ、何よりもコロナで枯渇していた世界中の劇場の観客動員を一気に戻してくれたこの作品と、公開時期を大幅に遅らせても劇場公開にこだわったトム・クルーズをはじめとするこの作品の関係者に感謝したくなりました。試写も含めると、劇場で3回みました!

《marinda》

関連タグ