ソニーと早稲田大学、エンタメ業界の未来を担う人材育成へ「クリエイティブエンタテインメント学」寄附講座を新設

ソニーと早稲田大学が連携し、技術と表現を融合した次世代エンタメ人材育成の寄付講座とシンポジウムを2025年に開始予定。

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ソニーと早稲田大学、エンタメ業界の未来を担う人材育成へ「クリエイティブエンタテインメント学」寄附講座を新設
Photo by David Ramos/Getty Images ソニーと早稲田大学、エンタメ業界の未来を担う人材育成へ「クリエイティブエンタテインメント学」寄附講座を新設

ソニーグループ株式会社と早稲田大学は2025年8月21日、エンタテインメント産業の中核をけん引する次世代の人材育成を目的とした「ソニーグループ寄附講座 クリエイティブエンタテインメント学」を、早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科内に設置すると発表した。この産学連携による新たな取り組みは、2025年10月の開講を予定しており、映像やオーディオ、コンテンツ制作の未来を見据えた教育を展開する。

市場拡大が続く国内エンタテインメント産業の持続的な成長には、進化するテクノロジーと社会の変化を深く理解し、クリエイターのアイデアを形にできる高度な専門性を持つ人材が不可欠となる。本講座は、科学技術と芸術表現の融合を特色とする早稲田大学の「表現工学」の知見と、ソニーグループが事業の最前線で培ってきた実践的なノウハウを融合させることで、この課題に応える狙いがある。

ソニーのトップ技術者が登壇、AI・倫理も学ぶ実践的カリキュラム

本講座の最大の特徴は、ソニーグループの第一線で活躍するトップエンジニアが講師として参画する点にある。多様な技術領域で高度な専門性を持つ「Corporate Distinguished Engineer」をはじめとする社員が教鞭をとり、映像・オーディオ技術やコンテンツ制作のノウハウを、ソニーグループの具体的な事例を交えながら解説する。

講義内容は、最新テクノロジーがエンタテインメントにどう展開されてきたかをメディア論などの視点から学ぶだけでなく、今後のコンテンツ制作において必須となるAI技術、倫理、アクセシビリティといったテーマも網羅する。受講生は、理論と実践を往還しながら未来のコンテンツのあり方を論理的に提案し、さらにプロトタイピングを通じてアイデアを具体化するプロセスを経験することで専門性を養う。

9月2日に開講記念シンポジウム開催

講座の開講に先立ち、2025年9月2日には記念シンポジウム「表現工学とエンタテインメントの未来」が早稲田大学 国際会議場 井深大記念ホールで開催される。

シンポジウムでは、ソニーグループの松本義典執行役員コーポレートエグゼクティブや、早稲田大学表現工学科の河合隆史教授らによる基調講演が行われる。また、「テクノロジーと表現の融合による感動体験」や「共に思い描く未来のエンタテインメント」をテーマとしたパネルディスカッションも予定されており、ソニーと早稲田大学の研究者、技術者、さらには現役の学生も交えて、エンタテインメント産業の未来像が多角的に議論される。

【講座概要】

  • 講座名称: ソニーグループ寄付講座 クリエイティブエンタテインメント学Ⅰ —概念化—

  • 開講期間: 2025年10月~11月(2028年まで開講予定)

  • 開設機関: 早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科

  • 主なソニーグループ講師:

  • 芦ヶ原 隆之(コンピュータビジョン)

  • 小俣 貴宣(認知科学、人間中心設計)

  • 山本 一幸(インタラクション技術)

  • 南野 活樹(音声処理、言語処理、AI 技術)

  • 佐藤 真(プラットフォームシステム) ほか

【開講記念シンポジウム「表現工学とエンタテインメントの未来」概要】

《Branc編集部》

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