3月の香港フィルマートで、ビジネスカンファレンス「Capital in Motion: Private Financing Promotes Development of Asia’s Film & TV Industry」が開催された。
アジア映画が地域やプラットフォームの壁を越えて広がるなか、資金調達の手法も急速に変わりつつある。国境を越えた共同投資やハイブリッドな資本モデルが台頭し、従来のやり方だけでは立ち行かなくなっている。本セッションではプロデューサーのLuna Zhang氏がモデレーターを務め、Goldfinch InternationalのJustin Deimen氏、East West BankのBennett Pozil氏、CMC Pictures/Pearl StudioのCatherine Xujun Ying氏、Marvelous Culture & FilmのTong Bing Yu氏が登壇した。商業銀行、スタジオ経営、プライベート投資——それぞれの立場から、プロジェクトの組成、リスク分散、国際的なスケールについて議論が交わされた。
変化する資金調達のエコシステムと「中国市場」の現在地
パンデミックを経て、映像産業の資金調達環境は様変わりした。Goldfinch InternationalのJustin Deimen氏は、現在のエコシステムを「より機関投資家的(インスティテューショナル)になり、コミッショニング・モデルへの依存度が下がっている」と見る。
「アジアのプロデューサーたちは、これまで放送局やセールス会社にライセンシングを任せきりにしてきました。しかし今は、共同製作の仕組みやライセンスの動き方を自ら理解し、ディールを自分の手に取り戻すプロデューサーが増えています。お金がどう動き、何が売れているのかを以前より深く理解しているのです」(Justin氏)
中国市場について語ったのは、CMC PicturesおよびPearl StudioのCatherine Xujun Ying氏だ。ショート動画の急速な台頭と映画館離れにより、中国の観客はかつてないほどコンテンツを選り好みするようになっているという。
「中国市場では現在、2億人民元(約40~45億円)を超える規模のプロジェクトはグリーンライトを得ることが極めて難しくなっています。興行収入から逆算すると、予算が回収できないのです」(Catherine氏)
一方で、資本の流れ先は明確に三つあるとCatherine氏は指摘する。一つ目はアニメーション。昨年の『哪吒2』や『長安三万里』、中国市場で米国を上回る興行を記録した『ズートピア2』の成功を受け、実写映画の監督たちもアニメ企画の開発に動き始めている。二つ目はショートドラマ。地方政府がインセンティブやリベートを提供するなど、産業全体の動きが加速している。三つ目が「海外展開」だ。

「中国本土という単一市場は巨大ですが、製作予算を支えきれない場面が増えています。そのため中国企業は、市場とバリューチェーンを拡張しようと海外への意識を高めています」(Catherine氏)
東南アジアについては、Marvelous Culture & FilmのTong Bing Yu氏が実情を語った。香港、中国本土、シンガポール、ハリウッドが映画館動員の鈍化に直面する一方、マレーシアやベトナムといった市場はむしろ伸びているという。「縦型ショートドラマの急成長は製作予算のハードルを下げ、これまで業界に関わってこなかった新しい投資家にも扉を開きました。マレーシアや東南アジアのような新興市場にとって、これは大きな追い風です」(Bing Yu氏)










