Inter BEE 2025の特別企画として、INTER BEE MEDIABizセッション「10年後、メディア再編はどう進んでいるか」が開催された。会場には放送事業関係者が多く詰めかける中、あえて既存メディアに所属しない登壇者を揃え、忌憚ない意見が活発に飛び交う内容となった。
モデレーターを務めたのはメディアコンサルタントの境治氏。パネリストには、ノンフィクション作家の下山進氏、京都産業大学現代社会学部教授の脇浜紀子氏、PwCコンサルティング合同会社シニアマネージャーの栗原岳史氏という、メディアの現状に精通した論客が登壇した。
10年後、団塊世代の退場とデジタル・ネイティブ世代の主流化
セッションの冒頭、境氏は、2025年3月に発生したフジテレビ問題について触れ、この出来事は単なるスキャンダルではなく、高度経済成長期に確立された「放送」という伝送路に依存したビジネスモデルが限界を迎えていることを象徴する出来事だと語った。

さらに境氏は、人口動態のシミュレーションを提示。10年後の2035年には、「オールドメディア世代」といえる団塊世代が退場し、デジタルネイティブ世代が社会の多数派を占めることになる。選挙などでは、ネット世代の影響力はすでに顕著に現れており、放送局の再編も含めて、10年後にはメディアの勢力図は今とは全く異なる状況になるのは避けられないと指摘した。









