フジ・メディアHD決算の「明暗」メディア事業292億円の損失も都市開発が過去最高益

フジ・メディア・ホールディングスの中間期決算は、メディア事業の広告激減で大幅赤字も都市開発が最高益を記録し、通期純利益は上方修正。

ビジネス 決算
フジ・メディアHD決算の「明暗」メディア事業292億円の損失も都市開発が過去最高益
フジ・メディアHD決算の「明暗」メディア事業292億円の損失も都市開発が過去最高益

フジ・メディア・ホールディングス(FMH)が2025年11月10日に発表した2026年3月期第2四半期(中間期)の連結決算は、メディア・コンテンツ事業の苦戦と都市開発事業の好調が対照的な結果となった。

連結売上高は前年同期比7.2%減の2,486億9,900万円。営業損益は、前年同期の138億7,900万円の黒字から一転し、129億9,000万円の損失を計上した。

最大の要因は、中核であるメディア・コンテンツ事業の大幅な減収減益だ。フジテレビジョンにおける事案の影響を受け、地上波テレビ広告収入や配信広告収入が激減し、同セグメントは292億7,100万円のセグメント損失を計上している。

一方で、経常損益も108億9,200万円の損失となったが、親会社株主に帰属する中間純利益は171億1,500万円を確保し、前年同期比35.8%の大幅増益を達成した。これは営業外で投資有価証券売却益498億1,200万円を特別利益として計上したことが主因となっている。

事業セグメント別では、メディア・コンテンツ事業の損失を、過去最高益を更新した都市開発・観光事業(セグメント利益180億6,600万円)が補う構図だ。結果、中間期は営業損失となったものの、フジテレビの広告収入が回復基調にあることなどから、通期の業績予想は修正された。純利益は上方修正された一方、営業利益および経常利益は下方修正された。



《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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