昨年のカンヌ国際映画祭の会期中に開催された、国際文化交流イベント「JAPAN NIGHT in Cannes 2025」が今年も行われる。主催しているのは、俳優・プロデューサーとして活躍するMEGUMIさんだ。
「JAPAN NIGHT」は、日本映画および日本文化の多様性と魅力を、映画産業に携わる人々や、メディア、政治・経済分野のリーダー達に向けて発信することを目的としたイベントだ。国際的な文化交流を促進する場として、映画のみならず様々な分野におけるグローバルな対話の起点となることを目指して開催された。
昨年は1000名近く来場し、日本と世界の映画人が交流を楽しんだ。そんな同イベントが今年もMEGUMIさんのプロデュースにより開催される。俳優とプロデューサーという二足の草鞋で活躍する彼女が、なぜこのイベントを仕掛けるのか、その狙いと真意、海外展開への想いを聞いた。

カンヌで日本への期待を強く感じた
――MEGUMIさんがカンヌでJAPAN NIGHTを開催する理由とはなんでしょうか。
MEGUMI:どうして私がこんなことをしているのかと不思議に思う人は、世の中にたくさんいるでしょうね。私は俳優もやりながら、裏方のプロデュースもやっています。どちらもやっている自分だからこそ、できることがあるんじゃないかと思っているんです。昨年、一度やってみて自分の視野がすごく広がり、多くの人とつながりもできました。ここから、新しいビジネスが生まれそうな手ごたえがあるんです。そして、これは自分自身の挑戦でもありますが、日本の映画界や海外の映画関係者の方々にも、少しでもプラスになるようなことにつながればいいなと思っています。
――昨年のJAPAN NIGHTは、かなり手ごたえがあったわけですね。
MEGUMI:そうですね。昨年は初めての開催で、まったくわからないまま、未知の世界に飛び込んだみたいな感じでした。300人来てくれれば成功かなぐらいの想定で動いていたんですけど、蓋を開けたら1000人近くの方が来場してくれました。その8割が海外の方で、そこで映画を通じて楽しい時間を過ごし、色々な出会いが生まれ、日本と海外の映画人が一緒にやっていこうと意気投合するきっかけを提供することができたので、本当に嬉しかったですね。想像以上に、日本の人気というのを感じました。
――日本の人気という点で、具体的にどんなことを感じたのですか。
MEGUMI:日本には独特の四季があり、長い文化の歴史がある、そういう点に世界の人は憧れや好意を抱いているのをひしひしと感じました。それに、昨年のカンヌ国際映画祭は、メインビジュアルに黒澤明監督の『八月の狂詩曲』を用いていたり、北野武監督が監督週間のポスターを描いていましたよね。名誉パルムドールにスタジオ・ジブリが選ばれましたし日本色が強かったんです。
欧州の映画人たちは、黒澤明監督や今村昌平監督など、これまでの偉大な日本の先達が作った作品を大好きだと熱狂的に語るんです。そういう昔の名作を、今の時代の作品にエッセンスとして取り入れたり、オマージュやリスペクトを込めた作品をもっと日本人が作るべきだと世界の人たちはおっしゃいます。欧州の映画人がそういう想いを強く持っているということを、カンヌで実感しました。
――参加者の8割が海外の方だったとのことですが、日本の参加者からパーティに対してどんな反応がありましたか。
MEGUMI:こういう大きなイベントをやってくれて嬉しいという言葉をいただきました。こういう場って、海外の方との接点が生まれるだけじゃなくて、国内の人たちのつながる場にもなれると思っていて、東京にいても会えない方々とも、向こうでなら意外と食事に行けたりすることってありますよね。東京で会うのと海外で会うのではテンションも違うじゃないですか。日本映画界は、今まさに新しい挑戦を重ねている時期だと思います。だからこそ、“共に進んでいこう”という強い気持ちが自然と生まれ、想いが通じ合ったあの場は本当に心に残るものでした。
