第3回新潟国際アニメーション映画祭において、日本アニメーション学会産業研究部会が主催するシンポジウム『基幹産業となる「アニメ」において地方はどのような役割を果たせるのか――価値創出のための新潟モデルを考える』が開催された。
本部会によるシンポジウムは毎年、同映画祭に合わせて開催され、地方進出が進むアニメスタジオの現状や課題を議論してきた。新潟県にはアニメスタジオが多く進出しており、関連の教育機関も充実している。そんな新潟において、地方がアニメ産業においてどのような貢献が可能で、また逆にアニメ産業が地方の課題をどのように解決できるのか、識者が議論した。
今回のシンポジウム登壇者は以下の通り。
堀越謙三(新潟国際アニメーション映画祭実行委員会委員長)
成田兵衛(開志専門職大学アニメ・マンガ学部教授)
伊藤暢啓(一般社団法人日本コンテンツ振興機構 副理事長)
増田弘道(日本アニメーション学会産業研究部会主査)
長谷川雅弘(日本アニメーション学会産業部会副査)
松本淳(日本アニメーション学会産業部会副査)【司会】
地方でIPを生み出せるか

本部会主査の増田氏から挨拶があった後、オープニングトークとして、同映画祭の実行委員長の堀越氏がプレゼンした。「地方のアニメ産業に関して言っておきたい二、三の事柄」と題したトークで、堀越氏は地方とアニメ産業を考える上で3つのポイントを挙げた。
1)人材育成とクリエーター育成の違い
2)目的は人口維持か、IP獲得による産業育成か
3)市民需要と市民プライド