11月1日(金)にTIFFCOMにて「メディアグループからグローバルコンテンツカンパニーへ~グローバルビジネス元年から始めるTBSの世界戦略~」が行われた。
まず、TBSテレビの代表取締役社長・龍宝正峰氏によって「TBSグループの今後の成長・グローバル市場への参入について」が発表。企画立案の段階からグローバル市場を目指すTHE SEVENの設立や、グローバル制作に特化した緑山スタジオ内の施設「M6」の建設も例に上げ、2023年までを第一ステップとして振り返った。
これからはオリジナルIP開発により力を入れ、IPを多角的にマネタイズし、積極的に投資を行っていくための第二ステップとなる。2024年を「グローバルビジネス元年」として、2026年までに最低1,600億円の投資を行い、世界に通用するプロフェッショナルな人材を300人採用、設立したアメリカと韓国の拠点をベースに世界中に広げていくとのことだ。
また、具体的な海外展開の成功例として、人気の高い「SASUKE」の海外版「Ninja Warrior」の紹介が行われ、今年の4月にTBS INTERNATIONAL,INC.の子会社となったベロンエンターテイメント社長のグレゴリー・ベロン氏が「簡単な旅路ではなかった」と語った。「日本版の『SASUKE』では有名人の参加に依存しているが、西洋では有名人は恥ずかしい思いをする可能性がある番組には参加しないため、キャスティングが非常に困難」であったことなど、海外ローカライズならではの苦労が多くあったという。
そのような苦労を経て、日本版をライセンス共有し、日本では3時間の特別番組として放送されるプログラムを一話30分のエピソードで構成したことで文化的なムーブメントになったとのことだ。この構成にしたことで、エピソードを追うごとに4つのステージを楽しむことができたのだという。現地で番組が作られるようになった今ではレクリエーションとしての人気も高まり、イギリスではアドベンチャーパークを作るに至ったほか、今後はアジアを中心に広げていく予定だ。
さらに、TBS KOREAの代表理事である深井純氏は、今年6月ソウルに設立した拠点には
ドラマのリメイクを売ること
IP開発のサポート・共同開発
エンタメのリサーチコンサルティング
という3つの目的があることを説明。今まではドラマの共同制作だけでなく独占放映なども行ってきたが、さらなる新しい取り組みとして韓国企業とコラボをしてアイドルオーディション番組を作ったことを上げ、今後は3つのドラマと2つの映画を制作することが決定していると明らかにした。
TBSは「TBSグループ VISION2030」に伴い、放送局としての役割にとどまらず、コンテンツの世界展開に強く力を入れている。今回の発表に加え、今後の動向にも注目していきたい。