連載「出張!李の日本アニメ事情@中国」。中国・西安出身の李啓源(リ・ケイゲン)氏をゲストライターに迎え、中国でのアニメ作品の盛り上がりを現地からレポートしていく。
今回は中国で8月に上映がスタートした映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の盛り上がりについて書いていく。
『名探偵コナン』は1994年に日本で連載が始まり、その後アニメ版が1997年、劇場版が2010年に中国に上陸し、巧みなストーリー展開と推理で中国ファンを一気に惹きつけた。最近では中国企業が公式に版権を購入、ネットでも視聴できるようになり、書店ではマンガや関連グッズが販売されている。
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今年4月12日に日本で公開された『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』は、台湾で6月28日、香港で7月19日、そして8月16日より中国での上映がスタートした。初めて覚えた日本語は“真実はいつも一つ!”という決めゼリフであるほど『名探偵コナン』大ファンの私もIMAXで鑑賞してきた。
日本と中国の宣伝ポスターを比べると、ポスターの内容はほぼ同じで文字を中国版に変更したのみ。今回の劇場版の登場人物がいて、背景には有名な函館の夜景が描かれている。函館の「百万ドルの夜景」は日本三大夜景の一つとして、日本だけでなく中国でも非常に人気が高い。
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映画館に入ると、同じ会場に「観客団」のメンバーが観に来ていることに気づいた。
観客団とは、インターネット上でコスプレや作品に対する熱い思いを語り合い、一緒に映画を観に行くファンたちのこと。最近、中国でムーブメントとなっており、映画館によっては観客団向けのオリジナルパンフレットやイベントを準備しているところもある。今回私は通常チケットを購入したが、たまたま観客団向けの上映回だった。このようなケースもある。
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映画自体は服部平次と怪盗キッドの対決という初めての展開で非常に面白く大満足だった。中国の映画館ではある程度喋りながら見ることが許されているため、観客団の方々は話しながら盛り上がっていた。私もつられて盛り上がることができ、とても楽しかった。
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上映後、観客団の皆さんには映画館より記念グッズ(特別な新聞、バッジ、ポスター等)の贈呈や記念写真の時間が設けられていた。私は観客団ではないのでグッズはもらえなかったが、記念グッズと会場の写真を撮らせてもらい、観客団の一人にインタビューを行った。