『数分間のエールを』Blenderで挑む劇場アニメ制作の舞台裏をHurray!が明かす【VGT2024】

映像クリエイターの祭典「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2024」が開催。初日のトークセッションには、劇場アニメ『数分間のエールを』を製作した新進気鋭の映像制作チーム「Hurray!(フレイ)」の3人が登壇。「Blenderで映画づくり!?『数分間のエールを』を生みだした数年間の奮闘記」にて、同作の制作過程を明かした。

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「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2024」Hurray! トークセッション
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  • 「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2024」Hurray! トークセッション
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映像クリエイターの祭典「VIDEOGRAPHERS TOKYO 2024」が開催。今年度は「OUT OF FRAME」をテーマに映像制作者を広く捉え、新たなヒントを提供する場として開催された。

初日の午前中には、劇場アニメ『数分間のエールを』を製作した新進気鋭の映像制作チーム「Hurray!(フレイ)」の3人が登壇。「Blenderで映画づくり!?『数分間のエールを』を生みだした数年間の奮闘記」のトークセッションにて、同作の制作過程を明かした。

登壇したのはHurray!のぽぷりか氏、おはじき氏、まごつき氏の3人。彼らはフリーランスの集まりで、これまでは主にミュージックビデオなど短尺のアニメーション映像を制作してきた。

『数分間のエールを』の企画は、2021年3月に始まったという。企画については、好きなテーマでいいと最初に言われたことから、自分たちの実感が込められるモノづくりの話にしたそうで、「子どもから見たモノづくりと大人から見たモノづくり」を描くことにしたとのこと。まず花田十輝氏と脚本の作業に入ったが、思うように進まず、花田氏から先に劇中のMVを作ってみてはと提案があり、デモ曲とMVを作ることになったという。

曲のテーマは「99曲作った後の最後の100曲目」というものだったそうで、今までの自分もこれからの自分も肯定したいという思いで書かれた曲となった。そしてMVは、苦しみながら絵を描いた後“絵を辞める決断”と“描き続けた世界線”に分岐する内容となった。

しかし、脚本の花田氏はそれを見て、最後に織江先生が音楽の道に戻らなくてもいいという事か、と問うてきたそうだ。どちらも肯定しているのなら、音楽を辞める決断も肯定していることになるので、最後に先生が音楽の道に戻らなくてもいいのでは、との指摘を受けて、楽曲はそのままにMVの内容を変更し、本編で使用されている形になったとのこと。

脚本ができた後はビデオコンテ作業。このチームが特徴的なのは、プリプロダクションから、本番の映像制作、さらにはコンポジット処理まで多くの過程をBlennderを用いていることだ。


《杉本穂高》

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杉本穂高

映画ライター 杉本穂高

映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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