韓国ストリーミングのライバル、TVINGとWavveが合併交渉中

韓国の2大ストリーミングサービス、TVINGとWavveが合併交渉を進めていると報じられている。

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韓国の2大ストリーミングサービス、TVINGとWavveが合併交渉を進めていると報じられている。


韓国経済新聞は11月29日、TVINGの筆頭株主であるCJ ENMとWavveの最大出資者であるSKスクエアが、早ければ12月中にもサービス統合の合意に達する可能性があると報じている。適正評価手続きを経て、両社は来年早々の正式契約締結を目指している。契約が成立すれば、CJ ENMが合併会社の筆頭株主となり、SKスクエアが第2位の株主となる見込みとのこと。

Varietyによると、この動きは、Netflixに遅れをとっている韓国国内ストリーミングプラットフォームの強化を意図しているという。CJ ENMの広報担当者は「TVINGとWavveは現在、戦略的提携を含め、OTT事業者としての競争力強化に役立つさまざまな協力策を協議している」とVarietyにメールで語った。

この2つのプラットフォームはすでに合併をした過去がある。TVINGは昨年、KT(旧韓国電気通信)が所有するSeeznと合併した。CJ ENMが現在TVINGの48.9%の株式を所有しているが、Naverからも多大な支援を受けており、TVINGにはParamount+も集約されている。Wavveは2019年、韓国の3大公共放送局であるKBS、MBC、SBSと、民間の巨大企業であるSKテレコムの合弁事業として誕生した。SKスクエアのWavveへの出資比率は40%とされ、昨年には南北アメリカで展開する韓国コンテンツ専門のストリーミングKOCOWAを買収する計画も発表した。

韓国のストリーミング市場は、世界で最も競争の激しい市場のひとつであり、国際的なプレーヤーも多数進出している。現地の情報筋によると、TVINGの韓国での月間アクティブユーザー(MAU)は約510万人で、Wavveは423万人である。単純に計算すると、加入者や利用者の重複がなかったとしても、統合後のTVINGとWavveはNetflixの1,130万人には及ばないことになるが、制作に長期的な影響を及ぼすと考えられている。スタジオドラゴンとCJ ENMスタジオを持つCJ ENMと、すでに公共放送の制作施設を利用しているWavveは、最終的には韓国のコンテンツの大部分を一緒に管理することになるかもしれない。

《伊藤万弥乃》

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伊藤万弥乃

伊藤万弥乃

海外映画とドラマに憧れ、英語・韓国語・スペイン語の勉強中。大学時代は映画批評について学ぶ。映画宣伝会社での勤務や映画祭運営を経験し、現在はライターとして活動。シットコムや韓ドラ、ラブコメ好き。

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