『PERFECT DAYS』ヴィム・ヴェンダース監督がロックダウン後の東京で感じたこととは?(動画あり)

第48回トロント国際映画祭のセンターピース部門で上映された、ヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』。東京を舞台にした本作について、レッドカーペットでヴェンダース監督と主演の役所広司に話を聞いた。

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Photo by Shawn Goldberg/Getty Images

9月7日から17日まで開催された第48回トロント国際映画祭(TIFF)。日本からはスペシャル・プレゼンテーション部門に是枝裕和監督の『怪物』、そしてオープニングに宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』などの作品が選ばれた。

日本映画が注目を集める中、今年のカンヌ国際映画祭で役所広司が最優秀男優賞を受賞した『PERFECT DAYS』は、グローバルな視点を持つ作品が揃うセンターピース部門で上映。現地のレッドカーペットにて、役所とヴェンダース監督からそれぞれ話を聞くことができた。

作品の舞台は東京・渋谷。役所演じるトイレの清掃員の男の日常を描く物語だ。ドイツ出身の監督がなぜ日本を舞台に選んだのか問うと、「この映画が私を東京に引き寄せたんです。私の人生の中において、とっても特別な作品です。この作品の中には実に特別なメッセージが込められています。そのメッセージを理解するには、映画を観ていただかなくてはなりません。タイトルは例外ですが、この映画のメッセージは直接的に表現されるものではないのです。“PERFECT DAYS(素晴らしい一日)”を約束します」とコメント。

また、東京との関わりについては「史上最長のロックダウンが終わった後、私は東京を訪れる機会がありました。東京ほど長くロックダウンしていたところはおそらく他にないと私は思います。東京の人々が再び街に戻り、都市の活気が取り戻されるのを私は目の当たりにしました。それはとても素晴らしかったです。彼らはパーティを開き、とても喜んでいました。公園や通りでのパーティが終わった後、みんなで最後にはゴミを拾い、むしろパーティ前よりもきれいになっていました。しかし、私の故郷ベルリンでは、公園は荒れ果てていました。ゴミだらけです。日本人が喜びを表現する方法や、公共の利益がこうして生き残っていることが、私は実に素敵だと感じました。世界の他の場所では、公共の利益がパンデミックの犠牲となっているわけですから」と話してくれた。

さらに、本作はたった15日間程度での撮影だったとのことで、その短い間での日本人スタッフとの経験について「私は世界中の様々な国で仕事をしてきました。本作の撮影はたった15日間という短い期間でしたが、日本の皆さんは非常に規律正しく、その間、非常に効率的かつ完璧な仕事ができ、私にとって実に楽しい経験となりました」と思い出を語った。

一方、海外記者からこの撮影期間の短さについて驚かれた役所広司は「日本映画は予算的に豊かな映画づくりをしていないので、意外と20日くらいで撮る映画はたくさんあります」と日本の映画製作の現状に触れつつコメント。ヴェンダース監督との仕事についても「スタッフもキャストもヴィム・ヴェンダース監督のファンばかりだったと思います。だから、みんな自分たちが憧れていた監督のもとで、仕事ができるということに非常に喜びを感じた撮影現場だったと思います」と撮影時を振り返り、にこやかに話してくれた。

『PERFECT DAYS』は東京国際映画祭のオープニング作品にも決定。全国では12⽉22⽇(⾦)より公開される。

《取材:Tomohiko Nogi, Linda V. Carter  文:伊藤万弥乃》

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