「男性は敵ではなく味方」Women in Animationがハリウッド大手と協調できる理由と、資金調達術【ANIAFFインタビュー】

第1回ANIAFFで来日した「Women in Animation」のマージ・ディーン会長にインタビュー。業界の男女比率50対50を目指す戦略や資金調達の裏側、そして日本進出の計画とは?

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マージ・ディーン氏
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2025年12月、第1回の開催を迎えた「あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル(ANIAFF)」は、業界の多様性と公平性の向上を目指す「Women in Animation(WIA)」会長、マージ・ディーン氏を招聘し、同団体にまつわるシンポジウムや基調講演を開催した。会場では、日米のメーション業界のジェンダーギャップについての貴重な議論が交わされることになった。

ディーン氏は『Invincible』などで知られるSkybound Entertainmentのスタジオ責任者であり、エミー賞受賞歴を持つ敏腕プロデューサーだ。数多くのスタジオ再構築に携わってきた彼女に、映画祭の感想からWIAの具体的な戦略、そして日本進出の展望までを語ってもらった。


ANIAFFは力強いスタートを切った

――第一回ANIAFFについてどんな印象を持ちましたか。

ディーン:率直にとても好印象です。初回の映画祭としては、全てがスムーズに進んでおり、審査員とゲストも本当にレベルの高い人たちが集まっています。

同時に、選ばれた作品のクオリティも非常に高いものばかりです。まさに世界レベルの作品が揃っており、映画祭として非常に力強いスタートを切ったと言えるでしょう。

そして、なによりとても楽しかったです。多くの方にお会いして、新しい友人を作ることができました。

――2回目の開催に向けて、さらなる発展のために、ANIAFFに必要なものはなんだと思いますか。

ディーン:必要なのはマーケティングと広告宣伝だと思います。第一回目ということもあるでしょうが、より人々の話題に上るために工夫することが必要でしょう。もっと大勢の方に来場してもらうために何をすべきかを考えることが重要です。

男女比率50対50に向けた新たな施策

――基調講演とシンポジウムを拝聴しました。WIAではアニメーション業界の男女比率を50対50にする目標を掲げておられます。その目標達成のために、今後どんな活動をしていきたいと考えていますか。

ディーン:まず第一に、今の制度やシステム、アニメーション全体のカルチャーに対して影響を与えるような活動をしていきたいです。女性が自信を持って働けるように、またスキルを存分に磨けるようにするためにどうすべきかを考えています。業界に影響を与える、そして女性たちの成長を促す、この2本を柱としてWIAは活動しています。

第二に、それらを実現するために、メンターシップを充実させたいです。今のプログラムをテンプレートにして他国にも拡張していきたい。これまでWIAでは約500人がメンターシップのプログラムに参加してきました。欧州やアジア、アフリカでも数百人単位で参加できるように拡大させていくことで、世界のアニメーション業界全体にインパクトを与えていきたいと思っています。

第三にデータベースの充実です。女性クリエイターのデータベースを作り、スタジオが求めるクリエイターを見つけやすくしていきたいと思っています。並行してポートフォリオをレビューできるシステムを作りたいと思っています。ポートフォリオを作る時にどういうことが大事なのか、他の人の意見を聞くことで学べるプログラムです。

それから、今回のようにイベントを開催していくことですね。上映会とパネルディスカッションを組み合わせたようなものをもっと開いていきたい。パネルディスカッションでは、成功した人たちに登壇してもらって、若い人たちが知見を共有できる機会にしたい。同時に、成功した女性たちを見ることで、ロールモデルをみつけて、自分たちもそのようになれるんだと気が付けるような機会を提供していくつもりです。

また、Story by Womenというプログラムを推進しており、女性たちが持っている企画に自信を持ってもらうためのもので、ピッチなどの準備をするものです。女性たちが自らの企画を実現できる一助になりたいと思って、こうしたプログラムを進めています。


《杉本穂高》

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杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

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