「未知の彼方で君を待っている～YONDER～」© TVING Co., Ltd, All Rights Reserved.
現在、世界中で大人気コンテンツとして楽しまれている韓国ドラマ。日本ではNetflixやDisney+、Amazonプライム・ビデオなど様々なサービスで視聴することができるが、本国には日本未上陸の動画配信サービスがある。それらのサービスでオリジナル制作されている作品は、日本ではどこで観られるのだろうか。
韓国の大手エンターテインメント企業CJ ENMが運営するTVINGは、CJのコンテンツ部門、JTBC、Naver、KT、パラマウントと戦略的パートナーシップを結び、昨年の12月1日に同じく韓国のプラットフォームであるSeeznと合併。Netflixに続いて、2番目に利用されている動画配信サービスとなっている。「未知の彼方で君を待っている～YONDER～」「ユミの細胞たち」や第6回カンヌ国際シリーズフェスティバルで脚本賞受賞という韓国ドラマ初の快挙となった「身代金」などの作品をオリジナルとして生み出しているが、昨年時点で「日本進出は難航している」と報じられていた。
現在、TVINGオリジナルドラマの「ユミの細胞たち」「アイランド」、人気ドラマの豪華俳優陣が揃うバラエティ番組「青春MT～Re：メンバーアゲイン～」はAmazonプライム・ビデオ、「魔女食堂にいらっしゃい」はU-NEXT、「私を愛さないXに」はABEMAで視聴することができる。昨年の釜山国際映画祭でも上映された「未知の彼方で君を待っている～YONDER～」はKNTVで日本初放送を予定しており、「酒飲みな都会の女たち」はMnetで放送・配信された。良質な作品が多いことから、多くのファンがTVING自体の日本進出を望んでいる。
SKテレコムと韓国の地上波放送局トップ3との合弁会社であるWavveは、韓国で唯一、KBS、MBC、SBSの大手放送局のコンテンツに独占的にアクセスでき、エミー賞など賞レースを席巻する海外ドラマが多いHBO、HBO Max、NBCUのコンテンツの韓国での独占ライセンス契約も結んでいる。イム・シワン主演の「トレーサー」はU-NEXTで配信中、米Forbesが選ぶ「2022年最高の韓国ドラマ20」に選出された「弱いヒーロー Class1」はHuluで配信を予定している。オリジナルバラエティ番組「血のゲーム」やドラマ「花が咲けば、月を想い」、女性アイドルaespa初の旅行リアリティ「aespaのSynk Road」などもオリジナル作品として知られているが、日本で視聴可能な作品はまだ少ない印象だ。
上記2社と接戦を繰り広げているCoupang Play。ペ・スジ主演ドラマ「アンナ」はAmazonプライム・ビデオで独占配信、キム・スヒョン主演ドラマ「ある日～真実のベール」はAmazonプライム・ビデオやU-NEXTなどで配信されているが、他のサービスと比べてそもそもオリジナル作品が少ない印象だ。サービスの特徴として海外サッカーをはじめとするスポーツ配信に強化している。
現在日本での運用を行っていない韓国の配信サービスオリジナル作品は、Amazonプライム・ビデオやU-NEXTで視聴できる作品が多い。また、4月12日からサービスが開始した「Lemino」（※ドコモのdTVがリニューアル）では韓ドラファンが期待していた「財閥家の末息子～Reborn Rich～」を独占配信しているほか、イ・ナヨン出演の「パク・ハギョンの旅行記」（wavveオリジナル）の日韓同時配信を予定しており、今後も韓国作品が増えていくことが予想される。
日本で韓国の動画配信サービスが提供されていない理由には、韓国国内でNetflix以外のサービスが赤字で苦戦しているという点があげられるだろう。
