2026年9月11日、韓国・光州の金大中コンベンションセンター。アジア最大級のコンテンツ見本市「光州ACE Fair」の会期に合わせて、第2回「K-Content Academy Forum(KOCAF/K-CAF)」が開かれた。
KOCAFは2024年2月発足。学界と産業界、政策担当者を同じテーブルに着かせ、K-コンテンツ産業の構造そのものを俎上に載せる場だ。第2回のテーマは「中央アジアを越えて世界へ/光州で開くK-コンテンツの未来」。カザフスタン、キルギス、トルクメニスタン、ウズベキスタンの放送・メディア関係者に加え、香港・中国、ラテンアメリカからの参加者も迎え、国際共同製作とIPの共同利用をめぐる議論が交わされた。
韓国コンテンツ振興院(KOCCA)のチョ・ヒョンレ院長はビデオ祝辞で、K-コンテンツはすでに世界各地で愛されているとしたうえで、これからは「誰と共に新しい物語を作るのか」「いかに持続可能な産業協力へ発展させるか」を考える時期だと語った。国内で完成品を作って輸出するモデルから、企画段階から他国と組みIPを分け合う「共創」へ。韓国の転換の意思がよくわかるセッションだった。
共同制作条約が生む「自国作品認定」と、制度では解けない課題
第1セッションのテーマは国際共同製作の課題と展望。韓国と中央アジアは共に何ができ、それをどう世界化するのか、という射程が示された。
情報通信政策研究院(KISDI)のチュ・ソンヒ博士がまず指摘したのは、共同製作という語の多義性だ。プリセールスや共同ファイナンスによる費用分担、制作の分担、番組交換と、連携の形は幅広い。しかし本来の共同製作は費用の分担ではなく創作行為そのものの共有であり、創作の権利とIPを共に持つことを指す。KISDIが2021年に現場の130人を対象に行った調査でも、利点として挙がったのは制作費削減ではなく、コンテンツの多様性、ロケーションの幅、相手国市場へのアクセスだった。
続いて整理されたのが、政府間の「共同制作条約(Co-production Treaty)」に基づく条約型と、企業同士が組む民間型の違いだ。条約型の価値は、両国で自国作品として扱われる「自国作品認定(National Production Status)」を得やすい点にある。公的助成金、税制優遇、クォータ(編成枠規制)の免除といった制度的メリットがついてくる。
もっとも要件は厳しい。参加国ごとに最低出資比率が定められ、放送番組では概ね10~30%が目安だ。韓国はタイ、カンボジア、ベトナムと放送番組の共同製作協定を締結済みだが、OTTが存在しなかった時代の規定が多く残るため、現在は協定の現代化を進めているという。

