WIF(旧Women in Film Los Angeles)とサンダンス・インスティテュートが共同で設立したジェンダー平等を推進する団体「ReFrame」は、『ジェンダーと雇用に関するレポート2025(ReFrame Report on Gender & Hiring in Film 2025)』を発表した。同団体は、2017年からIMDbProと連携して年間の人気映画上位100作品におけるジェンダー均衡の実態を調査・公表してきたが、2025年版レポートが示したのは、改善への期待を裏切る「後退」の現実であった。
調査によると、2025年のIMDbPro人気上位100作品のうち、ReFrameスタンプ(ジェンダー均衡制作の基準を満たした作品に付与される認証)を獲得したのは26本にとどまり、過去6年間で最少となった。
ReFrameの創設者であるキャシー・シュルマン(オスカー受賞プロデューサー)とケリ・パトナム(元サンダンス・インスティテュートCEO)は、「ReFrameスタンプは、ジェンダー均衡に向けた最低限の基準として設計されたもの。その達成すら少数派にとどまっている事実は憂慮すべきだ。基準を引き上げるどころか、それを下回る制作が増えている。これは進歩ではない。逆行だ」とコメントしている。
スクリーン上の多様性が大幅に後退
2025年のトップ100映画において、女性が監督を務めた作品はわずか11本だった。これは2023年のピーク時(20本)からほぼ半減しており、2019年以降で最低の数字だ。レポートは、女性が監督または共同監督を務めた作品の82%がジェンダーバランス基準を満たしているのに対し、男性監督作品ではわずか19%にとどまっていると指摘している。これは、監督が誰であるかによって、現場の包括性が大きく左右される傾向があることを示唆している。

出演者の多様性も劇的に減少している。トップ100映画において女性が主演を務めた枠は、前年の51枠から39枠へと23.5%減少し、2017年の調査開始以来、前年比で最大の減少幅となった。さらに深刻なのは、有色人種の主演俳優が前年の17人から7人へと58.8%も激減したことだ。これは過去8年間で最低の数字だ。
助演についても、過去2年間は上位100作品中97作品で女性が起用されていたが、2025年は91作品に減少した。加えて、ノンバイナリーやトランスジェンダーの俳優が主演・助演に起用された作品は1本もなかった。
USC Annenberg Inclusion Initiativeの最新調査によれば、2025年の上位100作品において、45歳以上の男性が出演する作品は30本あった一方、同年代の女性の出演は4本にとどまり、45歳以上の有色人種の女性が出演する作品はゼロであった。



