【レポート】フランスの日本アニメ・マンガ市場、成長鈍化も高水準を維持

視聴覚・デジタル通信規制局アルコム(Arcom)の調査報告書によると、フランスにおけるマンガとアニメの市場は、近年の爆発的な成長が一段落したものの、依然として高い水準を維持していることが明らかになった。

働き方 業界団体・行政
2025年6月のパリの風景。
撮影;杉本穂高 2025年6月のパリの風景。
  • 2025年6月のパリの風景。
  • アヌシー国際アニメーション映画祭の風景
  • フランスの売店にはOne Pieceのコラボ商品が販売されていた。
  • フランスの駅の売店のマンガコーナー

フランスの視聴覚・デジタル通信規制局アルコム(Arcom)が2025年7月に発表した調査報告書によると、フランスにおけるマンガとアニメの市場は、近年の爆発的な成長が一段落したものの、依然として高い水準を維持していることが明らかになった。フランス国民の42%が漫画またはアニメの消費者であり、日本発のコンテンツが文化として深く浸透している実態が浮き彫りとなった。

2024年のフランスのマンガ市場は、売上高が3億900万ユーロ、販売部数は3,600万部に達した。市場は2022年の3億8,100万ユーロをピークに落ち着きを見せているが、2019年には出版市場全体に占める漫画のシェアは5%だったが、2024年には11%を占めるまでに成長した。


一方、アニメ市場の価値は2024年時点で6,500万ユーロから9,000万ユーロと推定されている 。特にクランチロールやADNといった専門VOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスの普及が市場を牽引しており、これら2サービスだけで1,226タイトルものアニメが提供されている。アニメはフランス国民の38%が視聴しており、多くの消費者にとって日本文化への入り口となっている。


アヌシー国際アニメーション映画祭2025の風景(筆者撮影、2025年)

《杉本穂高》

関連タグ

杉本穂高

Branc編集長 杉本穂高

Branc編集長(二代目)。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。

編集部おすすめの記事