テレビ東京ホールディングスの業績回復が鮮明になってきた。
開局60周年の大型特番でタイム収入が伸びているほか、海外市場で『BORUTO-ボルト-』のSNSゲームや『NARUTO -ナルト-』の配信が伸長、劇場版『SPY×FAMILY』の配給収入など、得意とするアニメ関連ビジネスが業績をけん引している。今期は大幅な営業減益を予想していたものの、第3四半期累計期間は営業増益で通過している。
配当予想の修正も発表し、PBRは0.9倍まで上昇。キー局が0.6~0.7倍で停滞するなかで頭一つ飛び抜けている印象だ。
テレビ東京のスポット収入は6.1%増
2025年3月期第3四半期累計期間(2024年4月1日~2024年12月31日)の売上高は前期比4.0%増の1,144億円、営業利益は同0.4%増の57.7億円だった。通期の営業利益を前期比20.8%減の70億円を予想しており、進捗率は81%を超えている。しかし、予想は修正せずに据え置いた。
2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)は、ゴールデン帯に放送する番組スポンサーの減少や、外食・各種サービスにおけるスポット収入が2桁減となるなど、放送収入の落ち込みが大きく1.6%の減収となっていた。今期はパリ五輪によるタイム収入などのセールスが好調。地上波・BS放送事業の2025年3月期第3四半期累計期間の売上高は前年同期間比4.0%増の733億円だった。

※決算短信より筆者作成
営業利益は同35.0%増の32.5億円と急回復している。
テレビ東京のスポット収入においては、外食・各種サービスの売上減は0.8%と下げ止まったようだ。一方、コロナ禍で停滞していた交通・レジャーが13.6%増と急回復している。自動車・関連品(64.4%増)、家電・AV機器・精密機器(30.6%増)、化粧品・トイレタリー(30.2%増)など、構成比率は全体の10%以下と高くはないが、伸びしろのありそうなカテゴリーが急増した。スポット収入は6.1%増の202億円となっている。
マーベル作品の監督でハリウッド映画化が決定したNARUTO
足元でテレビ東京の成長を下支えしているのはアニメ事業だ。